腸内細菌がカルニチンから作り出す TMAO で心不全による死亡率が増加

(2014年10月) 腸内細菌が作り出すトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)という化合物が心臓発作や脳卒中に関与していることは既に知られていますが、"Journal of the American College of Cardiology" に掲載されたクリーブランド・クリニック(米国)の研究により、このTMAOが心不全による死亡率の悪化にも関与していることが初めて示されました。

研究の概要

心不全患者720人を5年間にわたり追跡調査したところ、TMAO血中濃度が多い患者では、他の血液検査結果やリスク要因を考慮してもなお、心不全で死亡するリスクが増加していました。

興味深いことに、ナトリウム利尿ペプチド(進行した心不全の指標)値が高くてもTMAO値が低い患者は、両方の値が高い患者よりも死亡率が随分と低くなっていました。 さらに、TMAOとBNP(*)両方の値が高い患者では、5年間における死亡率が50%超も増加してました。
(*) 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)のことでしょう。 BNPは心臓から分泌されるホルモンです。 名前に「脳性」と入っているのは単に、豚の脳の抽出物中において初めて特定されたためです。
研究者は次のように述べています:
「TMAO検査の結果が悪ければ食事内容を改善するというようにすると良いでしょう」
類似研究
"Heart" 誌(2016年2月)に掲載されたレスター大学(英国)の研究でも、急性心不全の患者のTMAO血中濃度が高いと予後が悪いという結果になっています。 この研究で急性心不全で入院した患者972人のTMAO血中濃度を調べたところ、急性心不全患者のうち1年以内に死亡したり再び入院したりした人は、TMAO血中濃度が高くなっていました。