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貴腐ワインには何らかの健康効果が隠されている

(2017年6月) デブレツェン大学(ハンガリー)の研究チームが胃腸のガンや心血管疾患で死亡した人の数をハンガリー・ワインの産地間で比較した結果が "Orvosi Hetilap" 誌に掲載されています。

研究の方法

ワインの飲用が死亡リスクに及ぼす影響を調べることを目的として、次の5つの地域において 2000年から 2010年のうちに胃腸のガンまたは心血管疾患(心臓病や脳卒中)で死亡した20万人超のデータを調査しました:
  1. 貴腐ワイン(白ワイン)の産地であるトカイ地方
  2. 赤ワインの産地であるエゲル地方
  3. 白ワインの産地であるバラトン地方
  4. 赤ワインの産地であるセクサルド地方/ヴィラーニー地方
  5. ワインの産地ではないホードメゼーヴァーシャールヘイ市

結果

貴腐ワインの産地であるトカイ地方は、胃腸のガンによる死亡者数が最少だった(664人)のですが、心血管疾患による死亡者数が最多(5,955人)でした。

赤ワインの産地であるエゲル地方は胃腸のガンによる死亡者数が最多でした(934人)。

同じく赤ワインの産地であるセクサルド地方/ヴィラーニー地方は心血管疾患による死亡者数が最少だった(3,907人)ものの、胃腸のガンによる死亡者数はエゲル地方に次いで2番目の多さ(831人)でした。
報告されているのが「死亡者数」であって「死亡率」や「死亡リスク」ではない点に注意が必要です。

結論

この結果に基づき研究チームは次のように結論づけています:
「赤ワインに心血管疾患で死亡するリスクを低下させる効果のある(*)ことが確認された。 トカイ地方で胃腸のガンによる死亡者が少なかったのは、この地方の水道水に含有されるセレンの量が多い(†)ことの表れであるだけでなく、貴腐ワインに何らかの健康効果が隠されていることの表れでもある(‡)

(*) 「リスクを低下させる効果がある」と断言してしまっていますが、おおむね原文の通りです。

(†) この部分は、「セレンが十分であると女性でのみ大腸ガンのリスクが低い」という結果になった研究に基いていると思われます。

(‡) ここも断言してしまっていますが、原文でもそんな感じです(*)
(*) 正直に言えば少し粉飾しました。 原文で "features(特色・特徴・特長)" という語が使われているのを「健康効果」と訳しました。 原文では、ハンガリー・ワインの消費者ではなく生産者を意識して「貴腐ワインの販売促進につながるような目玉となる特長」という感じで "features" という語を使ったのではないかと思いますが、「貴腐ワインに何らかの特長が隠されている」と訳してしまうと、この部分をこの記事のタイトルに使えなくなる(意味不明のタイトルになる)ので少しばかり私の解釈を盛り込みました。