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トマトジュースにコレステロール改善の効果?

(2015年12月) "Nutrients" 誌に掲載された国立体育大学(台湾)などの研究によると、トマトジュースがコレステロールの改善に有効かもしれません。 この研究は、トマトジュースで有名なカゴメ社の関連会社である Taiwan Kagome Co., Ltd. の資金提供により行われました。
Li-Chen Lee, Li Wei, Wen-Ching Huang, Yi-Ju Hsu, Yi-Ming Chen, and Chi-Chang Huang. Hypolipidemic Effect of Tomato Juice in Hamsters in High Cholesterol Diet-Induced Hyperlipidemia. Nutrients 2015, 7(12), 10525-10537; doi:10.3390/nu7125552 (Licensed under CC BY 4.0)
研究の方法
オスのハムスター40匹を次の5つのグループに分けて6週間にわたり飼育しました:
ハムスターは動脈硬化の病理においてヒトに似ているため、コレステロール低下効果を調べる研究によく用いられます。
  1. 普通のエサを与え普通に飼育されるグループ(コントロール・グループ)
  2. 高コレステロール食(*)により高脂血症にされたグループ
  3. 同様に高脂血症にされたうえでトマトジュースの凍結乾燥パウダーを体重1kgあたり約2.8g/日(†)与えられるグループ
  4. 同様に高脂血症にされたうえで同パウダーを体重1kgあたり約5.6g/日与えられるグループ
  5. 同様に高脂血症にされたうえで同パウダーを体重1kgあたり約14g/日与えられるグループ

(*) コレステロールを0.2%、ラードを10%含有するエサ。

(†) 凍結乾燥パウダー2.8g/日という量は、トマトジュースを1日に280ml飲むのに相当します。 14gは280mlを5杯分。

そして、血液・肝臓・糞に含まれる脂質の量を検査して、トマトジュースの安全性とコレステロールへの効果を調べました。

結果

高コレステロール食を与えられた4つのグループはコントロール・グループに比べて、血液・肝臓・糞から検出されるコレステロールの量が多く、脂肪肝が進行していました。

トマトジュース・パウダーを与えられた3~5のグループでは、血中の総コレステロール・トリグリセライド(≒中性脂肪)・LDL(悪玉)コレステロール・LDL:HDL比が少なくなっていました。 パウダーの投与量が多いほど、コレステロールの減少幅が大きくなっていました。

安全性

トマトジュース・パウダーはスタチン(コレステロール低下薬)と違って肝臓にダメージを引き起こしていませんでした。

コレステロールが改善される理由
トマトジュースに含まれる食物繊維やトマチン(トマトの成分。コレステロールと結合する)により、コレステロールが糞便経由で体外に排出されやすくなるのかもしれません。 過去の複数の研究で、食物繊維やトマチンにコレステロール値を改善する作用のあることが示されています。