トマトも痛風の原因に?

(2015年8月) ニュージーランドで行われ "BMC Musculoskeletal Disorders" 誌に掲載されたオークランド大学などの研究によると、トマトも痛風のリスク要因かもしれません。

急性の痛風発作は尿酸(痛風の主なリスク要因)の血中濃度に影響する食品により引き起こされることがあり、トマトもそんな食品の1つではないかとこれまで経験的に考えられてきました。 そこで、この研究ではトマト摂取頻度と痛風発作の関係を調査しました。

痛風を引き起こす食品に関するアンケート調査

ニュージーランドに住む痛風患者(マオリ族やヨーロッパ系住民など)2,051人を対象にアンケートを実施し、痛風のきっかけになると思われる食品について尋ねました。

その結果、痛風患者の71%が痛風のきっかけとなる食品が1つ以上あると回答し、この71%のうちの20%がトマトを挙げていました。 痛風を引き起こす食品としてトマトは、魚介類・アルコール飲料・赤身肉に次いで4番目に一般的な食品でした。 (ちなみに5~7位は、野菜・果物・糖類の入った飲み物でした)

トマトを食べると尿酸が増える

この研究ではさらに、米国の3つのデータベース(白人 12,720人)を用いてトマト摂取量と血中尿酸濃度との関係を調べました。

調査の結果、3つのデータベースのトータルではトマト摂取量が多いと血中尿酸濃度が高いという関係が見られました。 トマトを1週間に一回分食べることによる尿酸血中濃度の増加は0.7μmolL-1というものでしたが、これは痛風を引き起こすと認められている他の食品に比肩する増加幅(*)でした。
(*) 他の食品の一回分/週での増加幅は、魚介類で2.4μmolL-1、アルコールで2.3μmolL-1、肉類で0.5μmolL-1、糖類の入った飲み物で0.4μmolL-1 というもの。 これらは過去の複数の研究によるデータ。
トマトで尿酸が増える理由
トマトにはプリン体はあまり含まれていません。トマトにより尿酸値が増加する理由は不明ですが、次のような理由が考えられます:
  • トマトの成分であるフェノール酸が腎臓による尿酸排出を邪魔する。
  • トマトに大量に含まれるグルタミン酸(アミノ酸の一種)が窒素の供給源となって尿酸の合成に寄与する。
結論
今回の研究だけではトマトが痛風発作を引き起こすという因果関係は確認できませんが、「トマトを食べると痛風の発作が起こる」という報告に生物学的な根拠があるとは考えられます。