トランス脂肪酸で記憶力が悪化する

(2014年11月) 米国心臓学会が主催する "Scientific Sessions 2014" で発表されたカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究によると、トランス脂肪酸によって働き盛りの年代の男性であっても記憶力が悪化する可能性があります。

今回の研究では、心臓疾患と診断されていない20才以上の男性と閉経後の女性(つまり若い女性を除く成人男女)を対象に、食事に関するアンケートを実施した後に、単語カードを用いて記憶力のテストを行いました。
記憶力のテストの内容
単語が記載された104枚のカードを被験者に見せて、記載されている単語が初出か、それまでに出てきた単語かを答えるというテスト。
主な結果は次の通りです:
  • 45才未満の男性において、トランス脂肪酸の摂取量が多いグループは記憶力テストの成績が顕著に悪かった。 年齢・教育水準・人種・鬱症状の有無など記憶力に影響する要因を考慮しても、結果の有意性は失われなかった。
  • トランス脂肪酸の摂取量が1g/日増えるごとに、正確に思い出せる単語が0.76語減っていた。
  • トランス脂肪酸の摂取量が最大のグループは、摂取量が最低のグループに比べて、記憶力テストの成績が10%以上落ちていた。
研究者は次のように述べています:
「現役世代である青年および中年の男性において、記憶力の悪化とのあいだに最も強い関係が見られたのがトランス脂肪酸でした。 トランス脂肪酸は肥満や、攻撃性、心臓疾患の原因にもなると考えられています。

食品が酸化ストレス(心臓病やガンのリスク要因になる)と細胞エネルギー(cell energy)に与える影響は食品ごとに異なります。

わたしどもの前回の研究では、抗酸化物質を豊富に含み細胞エネルギーに好影響を与えるチョコレートの摂取量が多い青年・中年は記憶力が良いという結果になりましたが、今回の研究ではトランス脂肪酸にチョコレートと逆の作用のあることが示されました。 トランス脂肪酸は細胞エネルギーに悪影響を与えるプロオキシダント(酸化促進物質)です」