(米国)移植用の腎臓の半数近くが廃棄!?

(2013年5月) 米国で2011年に回収された腎臓の数は14,784。 廃棄されたのはそのうちの18%に当たる2,644。 この廃棄された2,644の腎臓のうち 500 ほどの廃棄の理由が、適合する移植先の患者が見つからないというものでした。 その一方で、2011年に腎移植を待つうちに亡くなった人の数は4,720人でした。

移植に用いられない腎臓の中には、ドナーの年齢や健康状態が原因で移植に適さないものもありますが、廃棄される腎臓のうち1/5以上(専門家の中には半数近くと主張する人もいます。 上記の2011年の数字で言えば、1300ほど)が、腎臓を適切な移植先に割り当てるシステムが無いために無駄に廃棄されています。

現在の(移植用腎臓と移植が必要な患者の)マッチング・システムは、コンピューターのマッチング・プログラムの古さや、政府または法律による規制などが原因で非効率なものとなっています。

Scientific Registry of Transplant Recipients という機関がコンピューターを用いて行ったシミュレーションによると、マッチング・システムを改めることで、臓器移植により得られる寿命が1年あたり 10,000年(臓器移植で寿命が延びた各患者の延命期間の合計)にもなります。

現在米国で腎臓の移植を待っている患者は約93,000人です。 これらの患者は58の地域に区分され、移植が可能な腎臓が出ると、原則として、当該の地域で最も長い間移植を待っている患者に移植が打診されます。 例外は子供の患者、適合する腎臓が稀有な患者、当該の腎臓への適合度が高い患者で、これらの患者には優先的に移植が打診されます。

当該の地域に適合する患者がいなければ、マッチング・プログラムは近隣の地域を探し、それでも適合する患者がいなければ、今度は全国で適合患者を探します。 しかし、腎臓はドナーから回収されてから 24~36 時間以内に移植する必要があるため、その時間内に移植先の患者が見つからない場合には廃棄されることになります。

移植に用いられなかった臓器は通常、研究に使われるか、または医療廃棄物処理場に送られます。

心臓や肝臓、肺の移植では、残りの寿命(老人よりも若者など)や緊急性も考慮して移植先の患者が選ばれますが、腎臓移植では上記のように機械的な公平さで移植先が選ばれており、現場の医師たちは改善を求めています。