トリクロサンで黄色ブドウ球菌感染症のリスクが増加

(2014年4月) "mBio" 誌に掲載されたミシガン大学の研究によると、家庭用の薬用ソープや、マウスウォッシュ、歯磨き粉などに用いられるトリクロサンという抗菌剤によって、黄色ブドウ球菌(S. aureus)に感染するリスクが増加すると考えられます。 鼻の穴に入ったトリクロサンが黄色ブドウ球菌の定着を促進するというのです。

この研究の被験者となった成人の41%の鼻道からトリクロサンが検出されました。 そして、トリクロサンが検出された被験者では、(そうでない被験者に比べて)黄色ブドウ球菌が定着している率が高くなっていました。 黄色ブドウ球菌は、一部の人(手術を受ける人など)において感染症のリスクが増加する原因となります。

この研究ではさらに、複数の実験を行って、①トリクロサンが存在する環境において黄色ブドウ球菌がヒトのタンパク質に付着しやすくなること、そして②トリクロサンに暴露されたネズミでは、黄色ブドウ球菌が鼻腔に定着しやすくなることを確認しました。

過去の研究では、ホルモン系を撹乱したり、心臓の筋肉や骨格筋(上腕二頭筋などの普通の筋肉)を弱めたりする作用がトリクロサンにあることが示されています。
Amazon.co.jp でトリクロサンの使用状況をチェックしたところ、スプレータイプの消臭剤(デオドラント)の中にもトリクロサンが用いられているものがありました。 スプレーで噴霧された薬剤は容易に鼻の穴に入ります。