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蜂の巣やハスの実を気持ち悪いと感じる「トライポフォビア」は寄生虫や感染症に対する嫌悪感の無差別な発露?

(2017年7月) 恐怖症の1つに、蜂の巣・ハスの実・スポンジなどの小さな円形の集合体に対して恐怖・嫌悪感を抱く「トライポフォビア」というものがありますが、"Cognition and Emotion" 誌に掲載されたケント大学の研究によると、トライポフォビアは寄生虫や感染症に対する嫌悪感が無差別に発揮された結果かもしれません。
「トライポフォビア」で検索すると、蜂の巣や蓮の実を気持ち悪く感じないような正常人であっても気持ち悪くなるような気持ちの悪い画像が表示されます。 うかつに「トライポフォビア」で検索しないように。

研究の方法

トライポフォビアに苦しむ男女300人と、トライポフォビアではない大学生300人に、何らかの円の集まりが写っている16枚の写真を見せました。 16枚のうち半数は病気や寄生虫のために人体に生じた円の集合(胸に生じた無数の円形の発疹や、天然痘の疵痕、群がったマダニ)の写真で、残りの半数は病気とは無関係の円の集合(ブロック塀にドリルで開けた無数の穴や、蜂の巣のような形状をした蓮の実)の写真でした。

結果

トライポフォビアではないグループは、病気や寄生虫のために人体に生じた円の集合の写真だけを気持ち悪いと感じました。 トライポフォビアのグループは、両方のタイプの写真を非常に気持ち悪いと感じました。

さらに、トライポフォビアのグループに円の集合写真を見たときの気持ちを述べてもらったところ、トライポフォビアの人は円の集合を見たときに恐怖を感じることよりも嫌悪を感じることのほうが多いことが明らかになりました。

解説

トライポフォビアの原理はこれまで 「円の集合という形が毒蛇やヒョウモンダコなど毒を持った生物に見られるため、ヒトはそういう形を嫌悪するように進化してきたのではないか」 などと説明されてきましたが、天然痘・はしか・風疹・チフスなどの伝染病や、疥癬(ヒゼンダニの寄生による感染症)・ウマバエ(幼虫が家畜やヒトに寄生する)・マダニ(*)などの寄生虫にしても円が集合した形と関わりがあります。
(*) 何匹もに寄生されると円が集合した感じになる。 気持ちが悪いので「マダニ 寄生」で画像検索するべきではありません。
危険な寄生虫や伝染病を表象する円の集合に対する嫌悪感は人類が感染症の原因となる恐れがあるモノを避けるのに役立ってきた可能性がありますが、トライポフォビアの人はヤバイ円の集合とヤバくない円の集合の区別を上手に出来ないために、普通の人であれば「危険ではない」と判断する円の集合まで「こいつはヤバイ」と判断しているのかもしれません。