2型糖尿病がリンパ系に及ぼす悪影響

(2015年7月) "Cardiovascular Research" 誌に掲載されたミズーリ大学の研究により、2型糖尿病がリンパ系にどのような影響を及ぼすのかが明らかになりました。出典: Impact of Type 2 Diabetes on Lymphatic Vessels Identified

リンパ液の流出

健康なリンパ管はジョウロの先端のようなもので多数の小さな穴からリンパ液が流れ出る構造になっています。 ところが2型糖尿病に侵されたリンパ管では、この穴がドリルで広げられたようになっているために中のリンパ液が過剰に流出します。 そのためにリンパ液と抗原がリンパ節まで運ばれません。

研究者は次のように述べています:

「リンパ系の主な役目はリンパ節(免疫応答が活性化している)へとリンパ液を輸送することです。 リンパ液というのは透明の液体で白血球が含まれています。 白血球は体から抗原(病原体など)を排除したりガン細胞を破壊したりするのを手伝ってくれます」

「今回の研究では、2型糖尿病になるとではリンパ管の壁に異常が生じ、それが進行して中の液体が外部へと漏れるようになることが明らかになりました」
一酸化窒素の生産量減少
今回の研究(おそらく動物実験)によると、2型糖尿病に侵されたリンパ管では生産される一酸化窒素の量が健康なリンパ管よりも随分と少なくなります。

「2型糖尿病になると、リンパ管の細胞が生産する一酸化窒素の量が不足します。 一酸化窒素はリンパ管の内側の層の構造ひいては機能を維持するのに不可欠です」

「今回の研究では、Lアルギニンというアミノ酸を投与することで(リンパ管による)一酸化窒素生産量を増強して(リンパ管壁の)バリア機能を回復することができました。 Lアルギニンは赤身肉・鶏肉・乳製品に含まれているほか、サプリメントで補給することもできます」