1型糖尿病の40%は成人後に発症

(2017年12月) "Lancet Diabetes & Endocrinology" 誌に発表されたエクセター大学の研究で、少なくとも白人では成人後に1型糖尿病を発症する人の割合がこれまで考えられていたよりも大きく、1型糖尿病の40%が31才以降に発症するという結果になりました。

20才未満の若い人に発症する糖尿病の大部分が1型糖尿病である一方で大人になってから発症する糖尿病の大部分が2型糖尿病であるため、「1型糖尿病は子供の病気である」というイメージが強く、以前は1型糖尿病が「小児糖尿病」と呼ばれていたいたほどです。

研究の方法

英国に住む白人38万人弱の遺伝子や病歴などに関するデータを用いて、糖尿病になった人の糖尿病が遺伝子的に見て1型なのか2型なのかを調べました。

1型糖尿病のリスクに関与する29の遺伝子が変異体であるかどうかに基いて1型糖尿病のリスクのスコアを算出し、スコアが一定以上となる糖尿病患者を「1型糖尿病である」とみなしました。

結果

60才までに糖尿病になったのは1万3千人超で、このうち遺伝子的に1型糖尿病とみなされたのは 1,286人でした。

そして、この 1,286人のうち30才以下のときに糖尿病と診断されていたのが749人で、31才~60才のときに糖尿病と診断されていたのが537人(42%)でした。

解説

1型糖尿病と2型糖尿病では、必要とされる治療が異なります。 2型糖尿病では膵臓のβ細胞がインスリンを生産しているので、とりあえずは食事療法と血糖降下薬により治療が行われインスリンの投与はなされませんが、遺伝性の自己免疫疾患である1型糖尿病では免疫細胞によりβ細胞が破壊されてインスリンが欠乏するため当初からインスリンの投与が必要となります。

30才以降に糖尿病と診断されると、2型糖尿病であると考えられるためにインスリンによる治療の開始が1年ほど遅れるというデータもあります。

食事療法や血糖降下薬の効果が見られずに状態が悪化し続ける糖尿病患者は、特に太っていない患者の場合には、成人であっても1型糖尿病を疑う必要があります。