超加工食品をよく食べる人はガンになりやすい

(2018年2月) ""*The BMJ*"" に掲載されたパリ13大学などによる研究で、加工度が高い食品(超加工食品)をよく食べる人はガンになりやすいという結果となりました。

研究の方法

フランスに住む18才以上(平均43才)の男女10万人超を対象に、アンケートで食生活を調べたのち5年間前後にわたり各種のガン(*)の発生状況を追跡調査しました。 データの分析においては、ガンの発症リスクに影響する色々な要因を考慮しました。
(*) ガン全体・乳ガン・前立腺ガン・大腸ガン。

結果

食生活に超加工食品が占める割合が10%増えるごとに、ガン(種類は問わない)になるリスクが12%増えていました。 乳ガンに限ると、この数字は11%でした。 前立腺ガンや大腸ガンについては統計学的に有意な関係が見られませんでした。

超加工食品の定義

今回の研究では、以下に該当しない食品を超加工食品(ultra-processed food)とみなしました。
  1. 未加工あるいは最低限の加工しかされていない食品(生鮮食品・乾物・細かく挽いた食品、冷凍・冷蔵・加熱殺菌処理だけを施した食品、発酵食品。例えば、果物・野菜・肉・魚・卵・豆類・牛乳・米・パスタなど)
  2. 自然調味料(塩・野菜油・バター・砂糖など食品から抽出されて料理に用いられる物質)
  3. 加工食品(塩や砂糖などの自然調味料のみを添加物とする食品。 例えば、塩のみを添加物とする缶詰の野菜・砂糖でコーティングしたドライフルーツ・塩のみを保存料として使用する肉製品・チーズ・パッケージに入っていない焼きたてのパンなど)

この定義に従えば、スーパーマーケットで売られている缶詰・加工肉・菓子類・レトルト食品・インスタント食品・マーガリン・アイスクリーム・食パン・菓子パンは全て超加工食品ということになります。 食パンであってもスーパーで売られているものは乳化剤やイーストフードなどの添加物が使われているのが普通ですから。 人工甘味料が使われた食品も超加工食品になります。

梅干しや漬物にしても、スーパーで売られているものは余程の高級品でない限り全て超加工食品に分類されるでしょう。 酸味料・香料・着色料が使われロクに発酵もさせていないような不誠実な漬物ばかりですから。 また、上記の定義においてチーズは超加工食品ではないとされていますが、プロセスチーズは乳化剤が使われているので超加工食品になってしまいます。 最近ではチーズの紛い物である「チーズフード」とかいう不誠実な食品が出回っていますが、これは明らかに超加工食品ですね。

漬物にしても乳製品にしても庶民にも手が届く安価な製品はどれも低品質な超加工食品です。 近代になって伝統的な食品の価格が安くなったわけではなく、本来のまっとうな食品の下に「安価なエセ模倣品」というカテゴリーが誕生しただけというわけです。わかりやすい例がバターに対するマーガリンです。 醤油にしても「丸大豆本醸造しょうゆ」と大層な名前が付けられた一番高価な価格帯の製品でようやく昔ながらの普通の醤油です。 「良いものは高い」ではなく「本物は高い」という時代です。

ニュースのネタを探して研究論文のタイトルをチェックしていて、虫(イナゴ的な)を人類の食糧源として利用することの可能性を模索する研究が目に付くことが最近増えているように思います。 将来的には肉や野菜などの生鮮食品が庶民の手に届かない時代が来るのではないでしょうか?