無職の男性では老化が早まる

"PLoS One"(2013年11月)に掲載された英国の研究によると、長期間にわたって仕事に就いていない男性では老化が早まります。 無職であるというストレスが原因で、老化の尺度とされるテロメアが早く短くなるのではないかというのです。

テロメアとは、染色体の末端に存在し細胞の DNA を損傷 から保護している部分のことで、染色体を保護する役目を持っています。 細胞が分裂するたびにテロメアは短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 テロメアが短い人では、心臓疾患や2型糖尿病などの成人病のリスクが増加します。

この研究では、31才のフィンランド人男女 5,600人から 採取した DNA(特にテロメアの長さ)を検査しました。

DNA 採取以前の3年間のうち2年以上を無職で過ごした男性では、仕事に就いていた男性に比べて、テロメアが短くなっている率が2倍以上でした。 喫煙、体重、運動習慣、婚姻状態、教育水準、病歴などの要因を考慮しても依然として、無職の男性ではテロメアが短いという結果でした。

今回の研究では、無職によるテロメアへの影響が男性でしか見られませんでしたが、これは今回のデータに含まれる女性に無職の人が少なかったせいであるかもしれません。

他の研究では、複数の仕事を掛け持ちするなど仕事量が過剰な人でもテロメアが早く短くなることが示されています。

米国の専門家によると、長期間にわたって無職の男性でテロメアが短くなるのは、長期間にわたるストレスによってホルモンの分泌が変化するためかもしれません:
「無職以外の理由で大きいストレスを感じている人や、鬱病の人でも同様です。参考記事: 鬱(うつ)が細胞レベルで老化の原因に (ホルモン分泌の変化によって)見た目的にも本人の感覚的にも老けるのです。

ストレスは、専門家によるメンタル面でのケアを受けることによって軽減できますが、前向きな気持ちを持つことでも軽減できます。 落ち込んでいるよりも前向きに頑張っているほうが、仕事が見つかる可能性は高いのですから」