受動喫煙の被害を受けていないと思っている人も被害を受けている

(2016年9月) "Carcinogenesis" 誌に掲載されたマウント・サイナイ医科大学(米国)の研究によると、「自分は受動喫煙の被害を受けていない」と思っている人であっても受動喫煙(二次喫煙)の悪影響を被っています。 そして、そのような無自覚な受動喫煙のために死亡リスクが増加しています。

今回の結果から、受動喫煙による被害がこれまで過小評価されてきたと考えられます。

研究者は次のように述べています:

「今回の研究の重要な結果の1つが、『自分は受動喫煙にさらされていない』 と高を括っている非喫煙者であっても実は受動喫煙の被害に遭っているということです」

「今回行ったアンケートにより、非喫煙者が知らず知らずのうちに受動喫煙にさらされていることが示されました」
研究の方法
20才以上の非喫煙者2万人を対象に、血液検査でコチニン(*)の血中濃度を調べ、さらに受動喫煙の被害を受けているかどうかに関するアンケート調査を行いました。 そしてそのデータを、この人たちの生死に関するデータと照らし合わせました。
(*) タバコの成分であるニコチンから体内で作り出される物質。

データの分析においては、性別・教育水準・人種・BMIなど死亡リスクに影響する要因を考慮しました。

結果

アンケートにおいて「受動喫煙の被害を受けている」と回答した受動喫煙の自覚がある人たちでは、コチニンの血中濃度が自然対数の単位で1段階増えるごとに、死亡リスク(死因を問わない)が17%増加していました。 死因別では、肺ガンなどのガンや心臓病による死亡率が増加していました。

アンケートにおいて「受動喫煙の被害を受けていない」と回答した受動喫煙に無自覚な人たちでも同様の結果でした。

自覚がある受動喫煙被害者

受動喫煙の被害にあっているという自覚がある人たちのデータをコチニン血中濃度に応じて4分割したところ、コチニン血中濃度が最低だった(コチニンが検出されなかった)グループからコチニン血中濃度が最も高かったグループにかけて、損失生存年数(YLL)(*)が5.8年、6.4年、6.9年、7.4年と右肩上がりでした。

(*) All About によると、事故や病気などで人が死亡した場合に、それによって失われた年数。 死んだ時の年齢と、その時点での平均余命から算出される。 したがって、数字が大きいほど失われた寿命が多いということでしょう。
無自覚な受動喫煙被害者
受動喫煙の自覚がない人たちのデータで同様の分析した場合にも、受動喫煙の自覚がある人たちと同様にYLLが5.7年、6.2年、6.4年、6.6年と右肩上がりでした。
肝心なのは無自覚な受動喫煙被害者の血中コチニン濃度だと思うのですが、論文の本文が見れない(有料)ので残念ながら不明です。