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人工の合成葉酸の86%は体内で利用されないまま血流中を循環する

(2014年7月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたニューカッスル大学(英国)などの研究によると、サプリメントに使われている合成型の葉酸(folic acid)は、野菜に含まれている天然の葉酸塩(folate)と違って、大部分が体内で処理されないままに残ります。 そのために、処理され損ねた葉酸が血流中を循環して、健康に対して未知の悪影響を及ぼす可能性があります。

これまで合成の葉酸が強化された食品(小麦粉など)の販売が認められ推奨されてきたのは、人工の葉酸と天然の葉酸塩が体内で同じように処理されると考えられていたためです。

研究の方法
ステントまたはシャントというチューブを体内に埋め込まれた患者たち(*)を2つのグループに分けて、標識化した(†)合成の葉酸または天然の葉酸塩のサプリメントを服用してもらいました。 いずれのグループも葉酸の用量は、妊娠予定の女性に推奨される規定量以下でした。

(*)このような患者たちに参加してもらったのは、肝門脈という胃から肝臓に直接つながる血管(つまり循環系の末端部分ではなく主要部分)から血液サンプルを直接採取するためです。

(†) "labelled"。 たぶん「化学的な目印をつけた」という意味。
結果

肝門脈から採取した血液サンプルを分析したところ、天然の葉酸塩は大部分がきちんと代謝されていたのに対して、合成の葉酸は86%が代謝されていませんでした。

この結果は、ネズミを用いて過去に行われた複数の実験の結果とは矛盾しますが、1960年代後半に標識化した葉酸を今回の研究よりも遥かに高用量で用いたヒトの試験の結果とは合致します。