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尿酸値が高いとガンになるリスクが増加。 一部のガンはリスクが低下

(2017年4月) "Oncotarget" 誌に掲載されたキングズ・カレッジ・ロンドン(英国)などの研究によると、血中の尿酸値が高いとガンになるリスクが増加する恐れがあります。

研究の方法

ガンではない20才以上の男女50万人弱の尿酸値を測定したのち、20年近くにわたりガンの発症状況を追跡調査しました。

そして、尿酸値の高さに応じてデータを4つのグループに分け、グループ間でガンのリスクを比較しました。

データの分析においては、年齢・性別・社会経済的状態(収入・職業・学歴など)・健康状態を考慮しました。

結果

尿酸値が最高だったグループは最低だったグループに比べて、ガン(種類は問わない)になるリスクが男性では8%、女性では12%高くなっていました。

ガンの種類別
ガンの種類別にリスクを割り出したところ、尿酸値が最高だったグループは最低だったグループに比べて、次のようにリスクが異なっていました:
男性
  • 大腸ガン: +31%
  • 肝臓/胆道のガン: +56%
  • 腎臓ガン: +27%
  • 皮膚ガン(メラノーマを除く): +42%
  • その他のガン: +28%
  • 中枢神経系の悪性腫瘍: -26%
女性
  • 頭頚部ガン(舌・顎・耳の下などにできるガン): +65%
  • リンパ/血液のガン: +13%(*)
  • その他のガン: +132%
  • 乳ガン: -7%
  • 中枢神経系の悪性腫瘍: -29%

(*) 表中の数字では「ハザード比が1.13、95%CIが1.00~1.28、P値が0.01」となっているのですが、論文の文章中に「女性では尿酸値が高いとリンパ/血液のガンのリスクが低下」という表中の数字と矛盾する表現が4~5回ほど登場します。

「以前に行われたメタ分析において、尿酸値が高いとリンパ/血液のガンのリスクが高いという結果になっていて今回の結果と合致しない」という記述まであるので、表中の数字のほうが間違っているのかもしれません。
結論
今回の結果に基づき研究チームは次のように結論付けています:
「尿酸の代謝がガンの発生に関与している可能性がある。 高尿酸値によりリスクが増加していたガンとリスクが低下していたガンがあったというのは、尿酸が抗酸化物質であるのと同時に酸化促進物質でもある(*)ことの表れかもしれない」
(*) 尿酸は細胞外においては抗酸化物質としての性質を有するが、細胞内においては酸化促進物質としての性質を有しガンの発生を助長する。
尿酸について
尿酸の源

尿酸はプリン体が分解されて作られるほか、アルコールや糖が肝臓により代謝されることによっても作られます。 エタノール(アルコール)や糖は肝臓が尿酸を排出するのを邪魔したりもします。

尿酸値の程度

尿酸値は男女ともに、7mg/dL以下が正常値で、これを超えると高尿酸血症となります。

今回の研究における尿酸値は、尿酸値が最低のグループで4.7mg/dL未満(男性)と3.5mg/dL未満(女性)、尿酸値が最高のグループで6.1mg/dL以上(男性)と4.7mg/dL以上(女性)というものでした。

尿酸に影響する食品

過去の研究では、プリン体を多く含む食品(ビール・赤身肉・魚介類など)と糖類の入った飲み物や果糖により尿酸値が増えて痛風が起こりやすくなることが示されています。 意外なところでは、トマトで尿酸が増えるという話もあります。

その一方で、コーヒー・乳製品・ビタミンCの摂取量が多い人では尿酸値と痛風リスクが低いことが報告されています。 アーモンドに尿酸値を下げる効果が期待できるという話やグリセミック指数が低い食事で尿酸値が下がるという話もあります。