プリン体または果糖 ⇒ 尿酸 ⇒ メタボリック症候群

(2014年8月) "Nature Communications" 誌に掲載されたワシントン大学の研究によると、メタボリック・シンドローム(以下「メタボ」)の発症に尿酸が関与している可能性があります。
尿素は腎臓と腸によって体から除去される老廃物で、大小の排泄物によって体外へと排出されます。 体内における尿酸の増加は痛風の原因になります。
これまでにも、メタボ患者において尿酸の量が増加することは知られていましたが、尿酸がメタボの原因となっているのか、それともメタボの原因となる「何か」の副産物でしかないのかは不明でした。

今回の研究により、血中の尿酸がメタボの単なるマーカー(指標)ではなく、代謝(メタボリズム)を狂わせている当の犯人であることが示唆されます。

尿酸の輸送には GLUT9 と呼ばれるタンパク質が深く関与していますが、今回の研究ではマウス実験により、腸の GLUT9 が機能を停止して腸から尿酸が除去されなくなったらどうなるかを調べました。 この研究では、腎臓による尿酸除去は通常のままに放置されました。

GLUT9 を持たないマウスに普通のエサを与えたところ、血中の尿酸値がたちまち通常のマウスよりも高くなり、6~8週間でメタボの症状(高血圧、高コレステロール、高血糖、脂肪肝など)が表れました。

さらに、このマウスにアロプリノールという痛風の薬(尿酸の生産量を減らす効果がある)を投与したところ、メタボの症状が部分的に(血圧とコレステロール値)改善されました。

尿酸は細胞のターンオーバー(代謝回転)に伴い必然的に生じる副産物であるため、体内に存在する量をゼロには出来ません。 しかしながら、尿酸値が食事内容の影響を受けることは知られています:

  • 多くの食品にプリン体という化合物が含まれていますが、このプリン体は体内で分解されて尿酸になります。

  • 果糖も、肝臓で代謝されて尿酸値が増加する原因となると思われます。