オシッコは無菌ではない; 尿に含まれる細菌が過活動膀胱に関与している可能性

(2014年5月) "American Society for Microbiology" の会合で発表された米国の研究によると尿は一般の認識に反して無菌ではなく、尿中に含まれる細菌が過活動膀胱(OAB)の原因となっている可能性があります。
過活動膀胱(OAB)とは、膀胱の収縮のために尿意の切迫感を感じるという排尿障害のことです。 女性の15%ほどが OAB です。
尿は無菌ではない

世間的に尿は無菌だと考えられていますが、今回の研究グループのメンバーが 2012年に、細菌の DNA を検知するという新しい手法を用いて尿中にも細菌が存在することを示しています。

今回の研究

今回の研究では、OAB がある女性および無い女性 90人の尿サンプルを、EQUC(expanded quantitative urine culture)という手法を用いて検査しました。 EQUC では、尿路症候群(urinary tract syndromes)の診断に用いられる従来の尿培養法では特定できなかった細菌も特定可能です。

EQUC による検査の結果、健康な女性と OAB の女性とでは膀胱の細菌が有意に異なっていました。 この結果から、膀胱の細菌が OAB に関与している可能性が浮上してきました。 従来の OAB 治療が効果を発揮するのは OAB の女性の50~60%でしかないと推算されていますが、今回の研究から、OAB の治療が効果を発揮しない理由の1つとして膀胱の細菌が疑われます。

研究者は次のように述べています:
「特定の細菌が OAB に関与していることが確定すれば、OAB のリスクを判定したり、OAB を効果的に予防・治療したり出来るようになるでしょう。」
研究グループは今後、膀胱の細菌のうちどれが有益でどれが有害なのかや、細菌同士の相互作用などを調べる予定です。