米国産の赤ワインのほぼ全てから基準値を超えるヒ素を検出(1/2ページ)

(2015年9月) "Journal of Environmental Health" に掲載されたワシントン大学の研究で、米国産ワインのほぼ全てに基準値を超えるヒ素が含まれているという結果になりました。

この研究で米国の65種類のワインを検査したところ、64種類から飲料水に許容される上限値を超える量のヒ素が検出されたのです。
ヒ素
ヒ素は天然の物質ですが一部の形態において人体に有害で、皮膚ガン・肺ガン・膀胱ガンなどの原因となります。 ヒ素を含有する岩石が雨や川の流れで侵食されると、ヒ素が土壌中や水中へと染み出して食物連鎖の中に入り込みます。
研究の方法
主要なワインの産地であるカリフォルニア州・ワシントン州・ニューヨーク州・オレゴン州の65種類のワインを検査しました。
ただし、白ワインしか作っていないワシントン州の2つの産地は除きました。 ブドウが土壌から吸い上げたヒ素はの果実よりも果皮に多く蓄積します。 白ワインの製造にはブドウの果皮を使いません。
結果

米国環境保護局では、飲料水に含まれるヒ素の濃度が10ppb(0.000001%)を超えてはならないと定めていますが、今回のサンプルからは10~76ppb(平均24ppb)のヒ素が検出されました。 総じて言えば米国産ワインは欧州産ワインよりもヒ素の含有量が多いということになります。

ヒ素の含有量が最も多かったのはワシントン州産のワインで平均28ppbでした。 含有量が最も少なかったのはオレゴン州産のワインで13ppbでした。

研究者は次のように述べています:
「ワシントン州産・ニューヨーク州産・カリフォルニア州産のワインの間では実質的な差はなく、オレゴン州産のワインのみヒ素の含有量が明らかに少ないという結果でした」

ワシントン州産の赤ワインのヒ素含有量が多いのは、過去に他の農作物を育てていたときに使用されたヒ素系農薬のためだと思われます。 ヒ素系農薬は20世紀初頭によく使われていました。

鉛の含有量

この研究ではヒ素に加えて鉛の含有量も検査しました。 サンプルの58%から鉛が検出されましたが、飲料水に許容される上限値を超える鉛が含まれていたのは5%だけでした。 この5%はいずれもニューヨーク州のワインでした。