頭を使うことが多いとアルツハイマー病が進行しにくいかも

(2016年8月) "Brain, Behavior and Immunity" 誌に掲載されたアイオワ州立大学の研究によると、頭を使うことが多いほどアルツハイマー病が進行し難くなる可能性があります。出典: Iowa State Study Suggests ‘Use It or Lose It’ to Defend Against Memory Loss この研究で次の2点が明らかになったのです:
  • NPTX2(neuronal pentraxin-2)というタンパク質の量が多いほど記憶力が良く脳のサイズが大きい。
  • 教育を受けていた年数が長かった人はNPTX2の量が多かった。 研究者によると、頭を使う仕事をしていたり、生活で頭を使うことが多いという人でもNPTX2が多い可能性があります。
研究の概要
285人の高齢者(*)の記憶力を4回(初回・半年後・1年後・2年後)にわたり検査し、免疫系とアルツハイマー病の進行との関係を調べたところ、免疫系に関与するNPTX2およびC3LP1(Chitinase-3-like-protein-1)という2種類のタンパク質の量とアルツハイマー病の進行との間に一貫した関係が見られました。
(*) 285人のうち、初回の検査の時点で軽度認知障害(MCI)だったのは135人、アルツハイマー病だったのは64人。 MCIはアルツハイマー病の前段階にあたります。
C3LP1とNPTX2
C3LP1は脳の炎症を引き起こすタンパク質で、脳と記憶力を劣化させる作用があると考えられており、それゆえに(アルツハイマー病進行の)強力な指標になると研究チームは予期していましたが、C3LP1の量に脳の内側側頭葉(*)が萎縮するリスクがそこそこ反映されていたものの、記憶力低下のリスクは反映されていませんでした。
(*) アルツハイマー病による記憶力と認知機能の低下の兆候が最初に現れる部位。
これに対してNPTX2の量には、2年間にわたる検査において一貫的に、将来の記憶力および内側側頭葉のサイズが反映されていました(特に記憶力との関係が強かった)。