太陽の光(紫外線)に血圧を下げる作用があった

(2013年5月) 日光と健康の関係というとビタミンDが思い浮かびますが、英国エジンバラ大学の研究により、日光(紫外線)に血圧を下げる効果のあることが示唆されています。 肌が太陽の光に当たることで、血圧を下げる作用のある一酸化窒素という化合物が血中に放出されるのです。

研究の方法

24人の被験者に、タンニング・マシンを20分間×2回使用してもらいました。 このうち一回は、ランプから照射される紫外線と熱の両方を浴びてもらい、もう一回は紫外線をカットして熱だけを浴びてもらいました。

結果

紫外線と熱を浴びた場合でのみ、タンニング・マシンを使用してから1時間のあいだ血圧が有意に下がっていました。 このことから、研究グループは、太陽光の熱ではなく紫外線に血圧を下げる効果があると考えています。

紫外線&熱の場合も、熱だけの場合も、ビタミンDの体内量に変化はありませんでした。 つまり、今回の実験における血圧降下(一酸化窒素の生産)がビタミンD によるものではないというわけです。 しかし、ビタミンD に血圧を下げる作用のあることを示す研究や、その理由を解明した研究(下記の参考記事)もあります。
コメント
研究者は次のように述べています:
「日光の健康への有益性は、日光による皮膚ガンのリスクを上回るのではないかと思います。 今回の研究で、食事などからビタミンDを摂取するだけでは日光不足を補えない理由の説明がつきます」
2014年1月のプレスリリース

上記の研究が "Journal of Investigative Dermatology" に掲載されたためか、2014年1月に再びプレスリリースが出ています。

追加情報は、上述の紫外線というのがUVA(紫外線B波)であるという点です。 ビタミンDの合成に使われるのはUVB(紫外線B波)です。

またこちらのニュースによると、血圧と心血管疾患は季節や緯度によってリスクが変わることが知られています。 寒い(つまり日照量の少ない)時期ほど、そして赤道から遠い(つまり日照量の少ない)地域ほどリスクが増加します。 こちらのプレスリリースには次のような研究者の発言が記載されています:

「皮膚には一酸化窒素とその分解生成物が豊富に存在し、血圧の調節に関与しています。 (皮膚が)日光にさらされると、少量の一酸化窒素が皮膚から血管に移動して、血管の緊張を和らげます。 このようにして血圧が下がると、心臓発作や脳卒中のリスクも下がります。

皮膚ガン予防の観点からは日光に当たり過ぎないことが大切ですが、日光に全く当たらないと心血管疾患(心臓発作や脳卒中)のリスクが増加すると考えられます。 (ビタミンD に血圧を下げる作用のあることを示す研究もありますが)ビタミンD のサプリメントの経口服用は骨の強化くらいにしか効果が無いのではないでしょうか」