大型連休が心身の健康に及ぼす影響

(2016年4月) "Physiology & Behavior" 誌に掲載されたジョージア大学などの研究で、長期休暇が心身の健康に及ぼす影響が明らかにされています。

研究の方法
3月~8月のうちに1~3週間の長期休暇を取った18~65才(平均年齢32才)の成人122人を対象に、休暇の1週間前・1週間後・6週間後の3回にわたって体重・身長・血圧・ウェスト:ヒップ比・運動量・ストレスの程度(*)を調べました。
(*) PSS(Perceived Stress Scale)という心理的ストレスの程度を調べるための10項目から成るアンケートを用いて調べた。 PSSは40点満点で、スコアが高いほど主観的な(本人が感じている)ストレスが強い。
結果
ストレス

長期休暇の前にはPSSのスコアの平均値が17.1点だったのが、休暇が終わってから6週間目には14.9点へと下がっていました。

血圧

そして、おそらくストレス軽減のためでしょうか収縮期(最高)血圧もわずかに下がっていました。 長期休暇が終わってから6週間目にも血圧は下がったままでした。

運動量

長期休暇中には休暇前よりも運動量が増える傾向にありました(ただし、p=0.10 で統計学的には有意と言えない)。 そして、長期休暇の後には運動量が休暇前以上に減っていました(こちらについては p<0.05)。

体重

休暇期間中の運動量がいちおう増えていたにも関わらず、休暇中には体重が平均で320g増えていました。 61%の人で体重が増えていました。

体重は長期休暇が終わった後も増え続け、休暇から6週間が経過した時点では休暇前に比べて体重が平均410g増えていました。

解説

米国人の場合、1年間に増える体重の量は450~900g程度です。 したがって長期休暇で増える320gという体重は、1~3週間という短期間にしては相当に大きな数字ということになります。

原因は飲酒

長期休暇中における体重増加の原因の1つは主に飲酒によるカロリー摂取量の増加だと思われます。 休暇前の飲酒量が平均で8杯/週だったのに対して、休暇中には飲酒量が16杯/週へと倍増していたのです。

忍び寄る肥満

今回の研究は「忍び寄る肥満(creeping obesity)」という概念を裏付ける結果となりました。 忍び寄る肥満とは、体重が長期間にわたって少しずつ増えてゆき、それが後々に健康問題を引き起こすという成人にありがちな体重増加パターンのことです。

研究者は次のように述べています:
「長期休暇の前後に体重を測るのでもなければ、数百グラムの体重増加には気付かないのが普通です。 したがって休暇で増えた分の体重を減らそうという考えにも至りません」