子供に予防接種を受けさせないのは特権意識の表れ

(2014年8月) 米国では、麻疹(はしか)などの予防接種を受けたことの無い子供は 1,000人に3人の割合で、そして予防接種を受けるのが遅い子供は 1,000人に500人程度の割合で存在しますが、"Gender & Society" に掲載された University of Colorado Denver の研究によると、高所得者層と低所得者層とでは子供に予防接種を受けさせない理由が異なります。

高収入・高学歴の家庭の場合、子供に予防接種を受けさせなかったり、受けるのを遅らせたりする理由は、親が「予防接種を受けさせなくても子供を守れる」と考えるためですが、低収入・低学歴の家庭の場合には単に予防接種を受けさせる金銭的な余裕が無いためです。

中~上流階級の母親は、予防接種の是非を判断するだけの資力、教育水準、および時間を有しており、子供に予防接種を受けさせるのは「予防接種のメリットが大きい」と判断したときだけで、それ以外の場合には、なるべく予防接種を受けさせずに済むように他の措置(母乳育児、健康的な食事、他の人間との接触の監視など)を講じます。

研究者は次のように述べています:
「予防接種を拒否する(富裕層の)親は、自分の子供のことは自分たちが一番良くわかっていると考えており、『どの子供も予防接種を受ける必要がある』という方針の妥当性を疑います。 母親としての直感に自分なりの調査を加えた結果としての判断が、子供を感染症から保護するのに最高だと信じているのです」
これに対して、低所得者層の場合、予防接種を受けるのが遅くなるのは単に、利用できる医療機関が存在しないためであることが多い傾向にあります。

今回の調査から、高所得者層の母親が「自分には衛生に関する公的な方針を拒否する自由がある」と考えていることが示唆されます。 このような高所得者層の考え方のために、予防接種を受けたくても受けられない低所得者層の子供が危険にさらされている可能性があります。
「予防接種を受けない子供が感染症を免れるのは、大部分の子供が予防接種を受けるからです。 子供に予防接種を受けさせない上流階級の親は、自分の子供に予防接種を受けさせないことによって他の子供を危険にさらしていることを理解しています。 そのうえで、『どうして自分の子供以外に関してまで責任を負わねばならないのか? それぞれの親が自分の子供のコトを考えれば良いのでは?』 と主張するのです」