(2017年6月) "American Journal of Epidemiology" に掲載されたマサチューセッツ大学アマースト校などの研究で、全粒穀物や大豆食品などの植物性タンパク質の摂取量が多い女性は早期閉経のリスクが低いという結果になりました。
早期閉経について
早期閉経(early menopause)(*)とは、45才以前に生じる閉経のことです。 早期閉経は早発閉経(premature menopause)ほど閉経が訪れる時期が異常に早いわけではありませんが、早期閉経でも心臓病・脳卒中・骨粗鬆症・認知機能低下のリスクが増加することが知られています。 閉経の時期が早いと老化も早いという話もあります。
(*) 辞書で調べると "early menopause" も "premature menopause" も「早発閉経」という訳語が記載されていますが、複数のソースからの情報によると "early menopause" と "premature menopause" は明らかに別物なので、"early menopause" の訳語を「早期閉経」としています。
研究の方法
25~42才で閉経前の女性8万5千人超を対象に20年間ほどにわたり、食生活に関するアンケート調査を実施しつつ閉経の状況を追跡調査しました。 アンケート調査は追跡期間中に5回行いました。
データの分析においては、年齢・喫煙習慣・BMIなど閉経の時期に影響する要因を考慮しました。
結果
追跡期間中に2千人超が早期閉経となりました。
植物性タンパク質摂取量(5回のアンケート調査の合計)に応じてデータを5つのグループに分けた中で植物性タンパク質の摂取量が最大のグループ(*)は最少のグループ(†)に比べて、早期閉経のリスクが16%低くなっていました。(*) カロリー全体の6.5%(中央値)を植物性タンパク質で摂る。
(†) カロリー全体の3.9%(中央値)を植物性タンパク質で摂る。