助成金により野菜と果物の値段を下げると心臓病や脳卒中が減る

(2016年3月) "American Heart Association's Epidemiology/Lifestyle 2016 Scientific Sessions" で発表されたインペリアルカレッジ・ロンドン(英国)などの研究によると、国民の野菜と果物の摂取量を増やして心臓疾患のリスクを下げるうえでは、政府のキャンペーンで野菜や果物を食べるようにと主張するよりも、野菜や果物の販売に助成金を出したり消費税を廃止したりして野菜と果物の値段を下げる方が有効です。

研究の方法

米国における 2030年までの心血管死亡率や野菜と果物の摂取量などの動向を予想する "U.S. IMPACT Food Policy Model" と呼ばれるモデルを作成して、様々な政策を行った場合に国民の食習慣がどのように変化するか、そして食習慣の変化が心臓病と脳卒中のリスクにどのように影響するかをシミュレートしました。

結果
  • 野菜と果物の価格が 2030年まで現在よりも10%低ければ、心臓病と脳卒中による死亡の率が約1%下がり、2030年までの15年間で6万4千~6万9千人の命が助かる。
  • 価格の低下が30%であれば、この死亡率の低下は3%で救われる命の数も19万1千人~20万5千人となる。
  • これに対して、マスコミを利用して1年間にわたる野菜・果物摂取量アップのキャンペーンをしても、心臓病と脳卒中による死亡の率は0.1%しか下がらない(7千5百人~8千3百人しか助からない)。
  • このキャンペーンを15年間にわたり継続しても、この死亡率の低下はたったの0.3%でしかなく、救われる命も2万2千8百人~2万4千8百人でしかない。
  • 野菜と果物の値下げは人種を問わずに有効だが、マスコミによるキャンペーンは黒人に対する効果が35%少ない。
コメント
研究者は次のように述べています:

「劣悪な食生活は心血管疾患(心臓病や脳卒中)の大きなリスク要因です。 心血管疾患は米国の死として第一位なので、政府は心血管疾患を抑制するために効果的な政策を打ち出す必要があります」

「助成金により野菜や果物の値段を下げるというのは啓蒙キャンペーンよりも、人種を問わない有効性が期待できますし即効性もあります」