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菜食主義がダイエットの効果を増幅。 糖尿病患者では血糖値の改善にも有益

(2017年6月) "Journal of the American College of Nutrition" に掲載された臨床実験医学研究所(チェコ)の研究によると、菜食主義がダイエットの効果を増幅してくれる可能性があります。 また、2型糖尿病(やメタボリック・シンドローム)の患者では血糖値の改善にも菜食主義が有益となることが期待されます。

研究の方法

2型糖尿病患者74人を2つのグループに分けて、一方のグループには菜食主義(*)の食生活を、そしてもう一方のグループには糖尿病患者向けの食生活(†)を、それぞれ半年間にわたり続けてもらうという臨床試験を行いました。

(*) 野菜・穀類・豆類・果物・ナッツ類を食べる食生活。 低脂肪ヨーグルトも1日1食分を限度として食べた。

(†) 欧州糖尿病学会(EASD)が推奨する食生活。

どちらのグループも摂取カロリーを普段より500キロカロリー減らしました(摂取カロリーは両グループで等しくなるように調整された)。

また半年間の後半には、両グループの被験者に各人の運動能力に応じた有酸素運動のプログラム(*)に参加してもらいました。
(*) 最大心拍数の60%の激しさの運動を1時間×週に3回。

結果

糖尿病食でダイエットしたグループでは3.2kgの体重減少だったのに対して、菜食主義の食事でダイエットしたグループでは6.2kgも体重が減っていました。

さらに、MRIで太腿を検査してダイエットで減った脂肪のタイプを調べたところ、皮下脂肪(皮膚の下に存在する脂肪)は両グループで同じように減っていたのですが、 筋肉内脂肪は(筋肉内に存在する脂肪)菜食主義グループのほうが大きく減っており、筋膜下脂肪(筋肉の表面に存在する脂肪)にいたっては菜食主義グループでしか減っていませんでした。

解説

血糖値という観点から注目すべきは筋膜下脂肪です。 筋膜下脂肪が多い2型糖尿病患者はインスリン抵抗性が強いというデータがあり、筋膜下脂肪を減らすのが糖代謝にとって有益だと思われるためです。

筋膜下脂肪を減らすのは、特に高齢の糖尿病患者において筋力の改善に有益であるとも考えられます。

研究者によると、今回の結果は2型糖尿病やメタボリック・シンドロームの患者だけでなく、健康な人がダイエットをしようとする場合にも当てはまります。

類似研究

"Journal of General Internal Medicine"(2015年)に掲載されたシステマティック・レビューでもダイエットに菜食主義が有効であるという結果になっています。

このレビューでは12の臨床試験のデータ(被験者数合計は 1,151人)を用いて、普通の食生活を送る人とベジタリアン(菜食主義者)とで9~74週間にわたるダイエットの効果がどのように異なるかを分析し、次のような結果となりました(比較対象は食生活が普通の人):
  • 乳製品と卵は食べる菜食主義者は1.5kgほど余分に体重が減っていた。
  • 普通の菜食主義者(*)2kgほど余分に体重が減っていた。
  • 完全菜食主義者(†)2.5kgほど余分に体重が減っていた。

(*) おそらく卵は食べないが乳製品は摂る。

(†) ビーガン(vegan)と呼ばれ一切の動物性食品を摂らない人たち。 当然、卵も乳製品も摂らない。