激しい身体活動により加齢性黄斑変性のリスクが増加?

(2017年12月) これまでの研究で身体活動により加齢性黄斑変性(AMD)のリスクが低下する可能性が示されていますが、"JAMA Ophthalmology" に掲載された延世大学校(韓国)の研究で、男性に限り、激しい身体活動を頻繁に行う人は血管新生型(滲出型)の加齢性黄斑変性(AMD)になりやすいという結果になりました。

加齢黄斑変性について

加齢黄斑変性(AMD)は網膜が劣化する病気で、高齢者における視力低下や失明の主因となっています。 加齢のほか遺伝や喫煙などがAMDのリスク要因です。

AMDは「滲出型(血管新生型)」と「萎縮型」の2種類に大別されます。 「滲出型」は「萎縮型」に比べて病気の進行が速く、失明の恐れも強くなります。 「萎縮型」から「滲出型」へと移行することもあります。

研究の方法

韓国に住む45~79才(平均年齢55才)の男女の身体活動量を 2002~2003年にかけて調べたのち 2009~2013年にかけて血管新生型AMDの発症状況を調査したデータを分析しました。

データに含まれる人数は21万人超(43%が女性)で、データの半数(10万人超)には激しい身体活動を行う習慣があり、残りの半数(10万人超)にはそうした習慣がありませんでした。

結果

血管新生型AMDの発症件数は、激しい身体活動を行う習慣があったグループで250件、習慣がなかったグループで198件でした。 激しい身体活動を行う習慣がある場合には無い場合に比べて、血管新生型AMDのリスクが23%増加するという計算になります。

年代別に分析すると、45~64才の人に限り、激しい身体活動を行う習慣がある場合に血管新生型AMDのリスクが30%増加していました。 同様に、性別の分析では男性に限り36%のリスク増加でした。

激しい身体活動を行う頻度別に分析すると、男性では、激しい身体活動を行う頻度が1~4回/週の場合には28%のリスク増加、5回/週以上の場合には54%のリスク増加でした。 女性では、頻度別の分析でも激しい身体活動と血管新生型AMDのリスクとの間に関係が見られませんでした。

留意点

激しい身体活動の習慣によりAMDのリスクが増加するという研究は恐らく今回のものが初めてなので、今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。