暴力的なテレビ番組を好む若い男性は脳が未熟?

(2014年6月) "Brain and Cognition" 誌に掲載されたインディアナ大学の研究によると、暴力行為が描かれたテレビ番組を好む若い男性では、脳の成熟度合いと実行機能(計画立案能力や、判断力、思考力、問題解決能力、注意力、感情抑制力など)が平均よりも劣っています。

研究の方法

18~29才の健康な男性65人を対象に、感情抑制力・注意力・記憶力のテストにより知的能力を計測し、MRI スキャン(脳の画像)により脳のサイズを測定しました。 男性たちは IQ が通常の水準であることと、テレビゲームの愛好者ではないことを基準として選ばれました。

男性たちのテレビ視聴時間については、前年度のテレビ視聴時間に関するアンケートと、1週間にわたるテレビ日記により把握しました。

結果

暴力的な番組を観る時間が長い男性ほど、実行機能のうち注意力と認知コントロールのテストの成績が悪化していました。 研究者によると、注意力や認知コントロールは暴力などの衝動的な行動を抑えるうえで重要な能力です。 テレビの視聴時間の長さは注意力や認知コントロールに影響していませんでした。

一方、ワーキングメモリ(実行機能の1つ)は、テレビ番組の視聴時間にも番組の内容にも影響されていませんでした。

MRI スキャンでは、暴力的なテレビ番組を見ることの多い男性では前頭葉と頭頂葉とを接続する白質のサイズが小さいことが明らかになりました。 これはすなわち、脳の発達が未熟であるということです。
白質
白質とは、脳の各所を結ぶ神経線維を覆って脳機能の効率性を高めるという役割を持つ組織のことです。 白質は通常、30才くらいまでは脳における接続の増加に伴って、量が増えてゆきます。 (参考記事: 脳のサイズは30~50才頃に最大となった後、最終的には7才児並みに) 前頭葉と頭頂葉との接続は、実行機能にとって特に重要だと考えられています。
留意点
研究者によると、暴力的なテレビ番組によって実行機能の発達が損なわれるという可能性以外に、実行機能が劣悪な人が暴力的なテレビ番組を好むという可能性もあります。