呼吸器合胞体ウイルスと喘息との関係が明らかに?

(2012年9月) ピッツバーグ大学による研究により、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)への感染が原因となって肺の気道の炎症を抑える免疫細胞の能力が損なわれることがわかりました。

これまでの研究

これまでの研究にもRSVに繰り返し感染することで喘息を発症する可能性を示したものがあり、例えばスェーデンで行われた研究では、RSVのために診察を受けたことのある小児のうち39%が18才の時点で喘息になっていた一方で、RSVで診察を受けたことのない小児では18才時点で喘息を患っている率が9%でしかないという結果になっています。

このようにRSVと喘息の関係は以前から知られていましたが、その因果関係は不明でした。 今回の研究はこの因果関係を解明するものと見られています。

今回の研究

今回の研究ではマウスを使った実験を行い、RSVによって免疫系の一部である制御性T細胞の炎症抑制作用が損なわれることを明らかにしました。 炎症は人体が感染症に対抗するうえで必要ですが、喘息患者では病原菌だけでなくダニやカビ、ペットなどに由来する空気中の物質にまで体が無差別に反応して炎症を起こしてしまいます。

RSVへの感染により制御性T細胞の炎症抑制作用が完全に失われたマウスは喘息のような症状を示しました。

研究グループによると、子供の頃の一時期に限りRSVによって制御性T細胞の炎症沈静作用が失われるリスクがあるかもしれません。