内臓脂肪が多い人は動脈硬化に要注意

(2016年4月) "Japanese Journal of Radiology" に掲載されたテヘラン大学の研究で、腹部の内臓脂肪が多い人は動脈硬化(*)のリスクが高いという結果になっています。
(*) アテローム性動脈硬化。 単に「動脈硬化」と言った場合、一般的にはアテローム性動脈硬化を指す。
研究の方法
50~77才の男女191人(52%が女性)を対象に、超音波を用いた頚動脈の検査(*)やMRIを用いた腹部脂肪の検査などを行いました。
(*) 内膜中膜肥厚(IMT)などを調べた。 IMTとは動脈壁の最も内側の2つの層の厚みのことで、頚動脈のIMTは動脈硬化の指標として用いられます。

そして、内臓脂肪の量に応じてデータ全体を3つのグループに分け、グループ間でIMTの程度を比較しました。

結果

内臓脂肪の量が最多のグループはIMTが0.8mm以上であるリスクが3.8倍でした。 腹部の皮下脂肪とIMTの間には関係が見られませんでした。

内臓脂肪の量が最多のグループではさらに、動脈硬化のプラークが頚動脈に複数存在するリスクが4.6倍近くに増加していました。 体重と頚動脈のプラークのリスクとの間には関係が見られませんでした。

191人のうち、IMTが0.8mm以上だったのは77人(40%)、頚動脈にプラークが複数存在するのは86人(44%)でした。
腹部脂肪と内臓脂肪

「腹部脂肪=内臓脂肪+腹部の皮下脂肪」です。 腹部の皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が健康への悪影響が強いと言われています。

腹部脂肪における内臓脂肪と皮下脂肪の比率には個人差があるためウェスト・サイズ(腹部脂肪の量)から内臓脂肪の量を割り出すことはできませんが、ウェスト・サイズ自体も健康の指標として用いられます:

  • ウェスト・サイズはメタボリック・シンドロームの診断基準の1つ。
  • ウェスト・サイズを利用するWHtR(ウェスト:身長比)やWHR(ウェスト:ヒップ比)といった健康指標が考案されている。