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ビタミンBのサプリメントで乳ガンのリスクが半減? ただし飲酒習慣があると...

(2017年5月) "Nutrients" 誌に掲載されたパリ第13大学などの研究によると、お酒をあまり飲まない女性に限り乳ガンの予防にビタミンBのサプリメントが有効かもしれません。

研究の方法

45才以上のフランス人女性2万8千人弱のビタミンB群(*)摂取量(食事またはサプリメントから)を調べたのち、中央値で4.2年間にわたり乳ガンの発生状況を追跡調査しました。
(*) 次の7種類のビタミンB: ビタミンB1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B9(葉酸塩)、B12(コバラミン)

そして、ビタミンB群の摂取量に応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で乳ガンのリスクを比較しました。 データの分析においては、乳ガンのリスク影響する様々な要因を考慮しました。

結果

追跡期間中に462人が乳ガンと診断されました。

ビタミンB6の摂取量が最も多いグループ(2.0mg/日以上)は最も少ないグループ(1.4mg/日未満)に比べて、乳ガンのリスクが33%低くなっていました。 この数字は、食事から摂るビタミンB6に限ると26%、サプリメントで摂るビタミンB6に限ると39%でした。

ビタミンB1も摂取量が多いほど乳ガンのリスクが低いという関係が見られました。(摂取量が多いグループと少ないグループとの比較では統計学的に有意な結果とならなかった)

他のビタミンB類に関しては、摂取量と乳ガンのリスクとの間に統計学的に有意な関係が見られませんでした。

飲酒量別の分析

ところが、データを飲酒量が多いグループと飲酒量が少ないグループとに分けて(*)分析すると、7種類のビタミンBのいずれについても、飲酒量が少ないグループではビタミンBのサプリメントを飲んでいる場合に(†)40~50%ほど(ビタミンBの種類により異なる)

(*) 飲酒量がデータ全体の中央値(3.6g/日)以上の場合を「飲酒量が多いグループ」とし、中央値未満の場合を「飲酒量が少ないグループ」とした。 参考までに、ビール1缶(350ml)に含まれるアルコールの重量は14g

(†) 食事から摂取するビタミンB類については、飲酒量別の分析が行われていません。

飲酒量が多い女性がビタミンBのサプリメントを飲んでも乳ガンのリスクが減っていなかったのは、アルコールがビタミンB群の輸送・吸収・代謝に影響するためかもしれません。

葉酸で乳ガンのリスク増加?

Plos One(2014年)に掲載された研究ではマウス実験により、葉酸(人工のビタミンB9。 自然のビタミンB9は葉酸)の摂取量が多いと乳ガンのリスクが増加する恐れのあることが示されています。 人工のビタミンである葉酸の摂取量が多いと感染症やガンに対抗するための免疫力が衰えることを示す研究も複数存在します。

ただし、ヒトを対象として葉酸の摂取量と乳ガンのリスクとの関係を調べたこれまでの観察研究では概ね、葉酸の摂取量は乳ガンのリスクに影響しないという結果になっています。

そして今回の研究では、飲酒量が少なくて葉酸のサプリメント(*)を服用する習慣がある場合には、他のビタミンB類と同様に乳ガンのリスクが下がっていました(-40%)。 "Plos One"(2015年)に掲載された研究でも、飲酒量が少ない(12g/日未満)女性に限り、葉酸の摂取量が多いと乳ガンのリスクが低いという結果になっています。
(*) 論文中では「葉酸塩のサプリメント」となっていますが、ビタミンB9のサプリメントは葉酸であることが多い(葉酸塩のものもある)はずですから、葉酸のサプリメントだと思います。
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