欧米で行われた研究に限りビタミンBの種類によって摂取量が多いと一部の食道ガンのリスクが低かったり少し高かったり

(2018年7月) "Nutrients" 誌に掲載されたメタ分析で、(特に欧米人で)ビタミンB12の摂取量が多いと一部の食道ガンのリスクが少し高いという結果になりました。

メタ分析の方法

ビタミンB2・B6・B12・葉酸塩(B9)の摂取量と食道ガンのリスクとの関係を調べた21の研究論文(2018年3月1日までに発表されたもの。大部分がケース・コントロール研究)のデータを分析しました。

4種類のビタミンBの共通点

ビタミンB2・B6・B12・葉酸塩はいずれも一炭素代謝(one-carbon metabolism)と呼ばれる経路において必須の栄養素です。

一炭素代謝はDNAのメチル化・合成・修復において中心的な役割を果たす経路で、この経路のバランスの乱れは一部のガンに関与しています。

結果

欧米やオーストラリアで行われた研究に限り、ビタミンB6や葉酸塩の摂取量が多いと食道ガンのリスクが低いという結果でした。 アジアの研究(3つとも中国の研究)では、このような関係は見あたりませんでした。

葉酸塩は摂取量が100μg/日増えるごとに食道ガンのリスクが12%低下し、ビタミンB6は摂取量が1mg/日増えるごとに食道ガンのリスクが16%低下するという計算になりました。

ビタミンB12に関しては研究グループにとっても意外なことに、摂取量が1μg/日増えるごとに食道腺ガン(食道ガンの中でも食道腺ガンだけ)のリスクが2%増加していました。 ビタミンB12摂取量と食道腺ガンとの関係も欧米の研究で顕著でした。

解説

研究グループは、ビタミンB12が炎症や免疫系を介して間接的に食道腺ガンのリスクに影響していると考えています。

ビタミンB12の摂取量

成人におけるビタミンB12の推奨摂取量は2.4μg/日(日本でも)ですが、今回のデータにおけるビタミンB12摂取量は米国人で4.64μg/日および欧州人で8.11μg/日と推奨摂取量を大きく超えていました。 食道腺ガンは欧米諸国で急増中です。

メタ分析を行った郑州大学(中国)の研究グループは「ビタミンB12の摂取量はほどほどにしておくと良い」と述べています。

参考までに、日本の厚生労働省が作成した平成27年「国民健康・栄養調査」(PDF要注意)によると、日本の成人(20才以上)のビタミンB12摂取量は、男性で6.9μg/日および女性で5.6μg/日です。

ビタミンB12を含む食品

ビタミンB12は肉や乳製品などの動物性食品に含まれています。 朝食用のシリアルもビタミンB12が強化されていることがあります。