ビタミンDと心臓病や脳卒中(レビュー)

(2019年4月) 英米の研究グループがビタミンD補給の心血管疾患(心臓病や脳卒中)に対する効果についてまとめたレビューを "The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism" に発表しています。
著者: Thomas Hiemstra et al.
タイトル: Vitamin D and Atherosclerotic Cardiovascular Disease(ビタミンDとアテローム性心血管疾患)

レビューの要旨

  1. 疫学的な研究やメンデル・ランダム化解析による研究(通常の観察研究よりも信頼性が高い)でビタミンDが欠乏していると心血管の健康によくないという結果が増加しつつつあるが、ビタミンDと心血管疾患の関係を裏付けるランダム化試験は乏しい。
  2. 既存の健康ガイドラインでは、ビタミンD摂取を推奨する理由を骨の健康および骨折の予防のみに限定している。
  3. 近年発表された2つの大規模試験(VITALとVida)では、中~高用量のビタミンD補給は心血管疾患の予防に有効でないという結果になっている。 これまでに行われたランダム化試験の結果も軒並み否定的である。
  4. こうした試験群は概ね健康でビタミンDが欠乏者が少数派である層を調べたものであるため、慢性腎疾患(CKD)の患者などには当てはまらないかもしれない。
  5. ビタミンDが不足している層に長期間にわたりビタミンDをこれまでの試験よりも大量に投与する大規模な試験を行うことが望まれる。