ビタミンD欠乏症のリスクが高い人

以下に該当する人では、ビタミンD が欠乏するリスクが増加します:
母乳だけで育てられている赤ちゃん

母乳にもビタミンDが含まれていますが、赤ちゃんが日光に当たることも想定した量のビタミンDしか母乳には含まれていないため、赤ちゃんが日光に十分当たらない場合にはビタミンDが不足してしまいます。

"American Journal of Public Health"(2016年)に掲載された研究では、1才になった後にも母乳を飲んでいる子供は固形食も食べていてもビタミンD不足になりやすいという結果になっています(2才の時点で16%、3才の時点では29%)。 ただし、これは日照量が少ないカナダの研究なので日本では話が違うかもしれません。
未熟児・低体重児
未熟児は通常よりも早く生まれるために、体内で得るはずだったビタミンDを得そびれて生まれてきます。 このため、くる病にならないようにビタミンDやカルシウムなどの栄養を補給する必要があります。 参考記事: 妊娠中のビタミンD
男性
マウス実験において、メスよりもオスの方が紫外線に当たったときに作られるビタミンDが少なく、その一方で分解速度が速いことが示されています。 "*The BMJ*"(2014年6月)に掲載された研究でも、男性よりも女性のほうがビタミンDが少ない傾向にあるという結果になっています。 この研究では米国と欧州に住む50~79才の男女のデータを分析しました。
高齢者
年を取ると日光に当たっていてもビタミンDがあまり合成されなくなるため、食事などから補給する必要性が生じます。 ただし上述の "*The BMJ*" に掲載された研究では、年齢によるビタミンD体内量の差は無いという結果になっています。
肝臓や腎臓に疾患がある人、菜食主義者、脂質吸収障害の人
①ビタミンDを食事から摂らない人、②食事に含まれるビタミンDを吸収できない人、③吸収したビタミンDを活用できない人はビタミンD不足になります。
肥満の人
肥満者は日光が皮膚に当たったときのビタミンD合成量が少ないうえに、消化管におけるビタミンD吸収能力が低いことが知られています。 ビタミンDが脂肪組織に閉じ込められるために肥満者がビタミンD不足になりやすいのだとする研究もあります。
肌に日光が当たらない人
日照量が少ない地域に住む人、紫外線をブロックする日焼け止めのクリーム(SPFが8以上のもの)を使用している人、あまり外出しない人などがこれに該当します。 日光に当たることによるビタミンD合成が不十分なので、食事でビタミンDを意識的に摂る必要があります。参考記事: 日焼け止めを使用していてもビタミンDの合成は行われる
肌の色の濃い人
黒人など肌の色の濃い人は、赤道直下の地域のように日光が強く、したがって紫外線も強い地域で適量のビタミンDが合成されるようにできているため、赤道から離れた地域の貧弱な日光ではビタミンDが十分に合成されません。
遺伝子的にビタミンDの利用効率が低い人
特定の遺伝子変異体を有している人は、紫外線に当たったり食事からビタミンDを摂ったりしてもビタミンDの血中濃度があまり上がりません。 参考記事: ビタミンD摂取量が人並みでも遺伝子しだいでビタミンD不足に