ビタミンDが足りていないとボケやすい

(2018年2月) セムナーン医科大学(イラン)などの研究グループが "Nutritional Neuroscience" 誌に発表したメタ分析で、ビタミンDが欠乏している人は認知症になりやすいという結果となりました。

メタ分析の方法

ビタミンD(25-ヒドロキシ・ビタミンD)の血中濃度と認知症またはアルツハイマー病(AD)になるリスクとの関係を調べた7つの前向き研究(2017年9月までに発表されたもの)のデータを分析しました。 データに含まれる人数は2万8千人超、認知症の症例数は 1,953件、ADの症例数は 1,607件でした。

結果

ビタミンD不足

ビタミンD不足(血中濃度が10~20ng/ml)の場合には、認知症のリスクもADのリスクも増加していませんでした。

ビタミンD欠乏

ビタミンD欠乏(血中濃度が10ng/ml未満)の場合には、認知症になるリスクが33%増加していました。 アルツハイマー病でも31%のリスク増加でしたが、統計学的な有意性に問題がありました(95% CI: 0.98~1.65)。

リスクが低下するビタミンD血中濃度

認知症については、ビタミンDの血中濃度が25ng/ml前後である場合にリスクが低くなっていました。 またADについては、ビタミンD血中濃度が35ng/ml前後となる水準を限度として、血中濃度が高いほどにリスクが低下するという関係が見られました。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

ビタミンDのサプリメントもビタミンDの補給に有効です。 日光浴よりもサプリメントのほうがビタミンD血中濃度がよく上がるようです。 ビタミンCやEなどと違ってビタミンDは、多くの専門家がサプリメントの利用を推奨しています。