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ビタミンDが欠乏しているだけでも心不全で入院するリスクが増加

(2018年1月) "Nutrition, Metabolism & Cardiovascular Diseases" 誌に掲載されたイタリア国立神経学研究所(NEUROMED)などの研究で、ビタミンDが欠乏しているだけでも心不全で入院するリスクが増加するという結果になっています。

研究の方法

イタリアに住む心不全の病歴がない男女1万9千人(35~99才、49%が男性)のビタミンD血中濃度を調べたのち6年間前後にわたり心不全による入院の状況を追跡調査しました。

そして、ビタミンD血中濃度に応じてデータを次の3つのグループに分けて、グループ間で心不全による入院のリスクを比較しました:
  1. ビタミンD血中濃度が足りている(30ng/ml以上)グループ(12%)
  2. ビタミンDが不足している(10~29ng/ml)グループ(80%)
  3. ビタミンDが欠乏している(10ng/ml未満)グループ(8%)

結果

追跡期間中に発生した心不全による入院は562件でした。

心不全による入院の発生率は、ビタミンDが足りているグループで1.6%、不足しているグループで2.9%、欠乏しているグループで5.3%でした。

心不全になるリスクに影響する色々な要因を考慮しつつデータを分析したところ、ビタミンDが欠乏していたグループはビタミンDが足りていたグループに比べて、心不全で入院するリスクが1.6倍でした。 無症状性の(低レベルの)炎症の有無まで考慮して分析しても結果に大差ありませんでした。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

ビタミンDのサプリメントもビタミンDの補給に有効です。 日光浴よりもサプリメントのほうがビタミンD血中濃度がよく上がるようです。 ビタミンCやEなどと違ってビタミンDは、多くの専門家がサプリメントの利用を推奨しています。