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ビタミンDのサプリメントに血糖値を改善する効果

(2017年7月) "Therapeutics and Clinical Risk Management" 誌に掲載されたマンスーラ大学(エジプト)の研究によると、ビタミンDが不足している2型糖尿病患者においてビタミンDのサプリメントが血糖値の改善に有効かもしれません。

研究の方法

ビタミンDが不足(*)あるいは欠乏(†)している2型糖尿病患者51人(男性27人)にビタミンD3(‡)のサプリメントを24週間にわたり服用してもらいました。 服用量は最初の8週間が4万5千IU/週で、その後の16週間は2万2千5百IU/週というものでした。

(*) ビタミンD血中濃度が20~30ng/mL。

(†) ビタミンD血中濃度が20ng/mL未満。

(‡) 別名「コレカルシフェロール」。主に植物の体内に存在するのがビタミンD2で、主に動物の体内に存在するのがビタミンD3。 人が日光に当たったときに体内で生産されるのもビタミンD3。 サプリメントとしてビタミンD3のほうが優秀であるとも、ビタミンD2とD3とで大差ないとも言われています。 用途によっても異なるのかもしれません。
最初の8週間にはカルシウムのサプリメント(炭酸カルシウム)も500mg/日服用しました。
過去の研究に、ビタミンDをカルシウムと同時に服用すると血糖値が改善されるという結果になったものがあります。

結果

ビタミンD3の服用により、服用期間前には平均14ng/mLだったビタミンD3の血中濃度が服用期間後には平均31ng/mLへと上昇しました。

それに伴い、HbA1c値が7.9%から7.4%へ、そして空腹時血糖値が9.1mmol/L(163.7mg/dL)から7.9mmol/L(142.2mg/dL)へと低下しました。

解説

これまでの研究では、ビタミンDサプリメントの服用によりHbA1c値や空腹時血糖値が下がるとか、インスリン抵抗性(HOMA-IR)は下がるがHbA1c値は下がらないといった結果になっています。 今回の研究では、ビタミンDのサプリメントによりインスリン抵抗性がいちおうは下がっていたものの、統計学的に有意な数字ではありませんでした。

考えられる理由

ビタミンDで血糖値が改善される理由としては、次のようなものが考えられます:
  • β細胞(すい臓でインスリンを生産する)がビタミンD受容体を備えている。
  • インスリン抵抗性には炎症が関与しているが、ビタミンDに炎症を抑制する効果がある。
  • ビタミンDが細胞内カルシウムを増加させて、細胞内に輸送されるグルコース(ブドウ糖)の量を増やしてくれる。
  • ビタミンDがペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の調節に関与している。 PPARはインスリン感受性において重要な役割を果たす。
  • ビタミンDのサプリメントにより続発性副甲状腺機能亢進症(*)が解消される。 今回の研究で、ビタミンDサプリメントを服用した後に副甲状腺ホルモンとアルカリ・ホスファターゼの検査値が下がっていた。
    (*) ビタミンD欠乏症や慢性腎不全などが原因で生じる副甲状腺機能亢進症。 副甲状腺機能亢進症の人は血糖値が上がりやすい。

ビタミンDサプリメントの服用について

  • 今回の研究では、被験者全員でビタミンDが不足していました。 したがって、ビタミンDが不足していない場合にはサプリメントを飲んでも血糖値が改善されない可能性があります。
  • ビタミンDが不足しているかどうかを判断するには医療機関で検査してもらうしかありませんが、世界各地で行われた研究で、ビタミンDが不足している人が相当な割合で存在することが示されています。 太っている人はビタミンDの所要量が多いという研究もあります。
  • 1週間あたり4万5千IUや2万2千5百IUというビタミンDの服用量は、一般的に推奨されるビタミンDの服用量に比べて相当に多いものです。 日本のガイドラインにおけるビタミンDの摂取上限量は成人で50μg/日というものですが、これをIUに変換しても2千IU/日(1週間あたりで1万4千IU)でしかありません。 ビタミンDのサプリメントを服用する場合には、事前に医師に相談しましょう。