喘息患者におけるビタミンDの風邪予防効果

(2015年11月) "American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine" に掲載されたウィスコンシン大学の研究で、喘息患者においてはビタミンDで風邪をひく頻度や風邪の重症度は低減されないという結果になりました。

ビタミンDと風邪の関係について調べた研究はこれまでに、主として喘息ではない人たちを被験者とするものが複数行われていますが、複数発表されていますが、これらの研究の結果は一致していません。

経緯

今回の研究チームが過去に行った研究では、ビタミンDが不足している喘息患者にビタミンDを補給することで喘息の再燃リスクが40%低下するという結果になっています。

「喘息の再燃は風邪がきっかけとなることが多いので、ビタミンDで風邪の頻度と重症度が低減されることで喘息の再燃リスクが低下したのではないか」と考えていただけに、研究チームにとって今回の結果は意外でした。

研究の方法

軽症~中等症の喘息を抱えている成人患者408人を被験者とする臨床試験を行いました。 患者たちはいずれもビタミンDが不足または欠乏しており、吸入ステロイド薬を低用量で使用していても喘息の症状が出ていました。

被験者を2つのグループに分けて、ビタミンDのサプリメントまたはプラシーボ二重盲検法により投与しました。 ビタミンDの投与量は、初回が10万IUで、その後は28週間にわたり1日あたり4千IUというものでした。

結果

半数の被験者が試験期間中に風邪を1回以上ひきました。 ビタミンDのサプリメントを服用したグループでは82%の患者で12週間以内にビタミンDの不足または欠乏が解消されましたが、この82%に限って分析しても(プラシーボを服用していてビタミンDが依然として不足・欠乏しているグループと比較しても)風邪の頻度や重症度に違いは見られませんでした。

結論
喘息患者では骨が弱くなるリスクも高くなるためにビタミンDのサプリメント服用は有益ですが、風邪の予防という面からはビタミンDを服用しても意味が無いかもしれません。