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ビタミンDで血圧が下がる理由が明らかに

(2014年1月) 過去の研究でビタミンD不足が高血圧の原因になることが指摘されていますが、"Molecular Endocrinology" 誌に掲載されたオーストリアの研究でその理由が解明されました。 ビタミンD に血管の柔軟性を調節する作用があったのです。

マウス実験
今回の研究では、遺伝子改造によってビタミンDのシグナル伝達が行われない(ビタミンDが体内に存在しても認識されないので利用されない)ようになったマウスを用いました。
この点に関する詳細
ビタミンDはカルシウムとリンのバランスも調節しているので、(ビタミンDのシグナル伝達が行われないと)カルシウムとリンも不足します。 そこで、マウスに与えるエサは、カルシウムとリンが不足しないように配慮したものにしました。 このようにすることで、マウスの体内で不足するのがビタミンDだけとなるようにしました。

そして、ビタミンDのシグナル伝達が行われない状態になってから約1年後、マウスたちの血圧が増加していました。

血圧が増加した原因を突き止めるためにマウスの様々な組織を調べたところ、大動脈(aorta)において①血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現量の減少、②コラーゲン蓄積量の増加、および③弾性線維の減少が見られました。

ビタミンD不足が続くうちに(①~③が原因となって)、血管(the blood vessels。 「大動脈」を指す?)が硬直して血管を通る血流の量に柔軟に対応することができなくなり、その結果、血圧が高くなり、心臓の構造と機能に異常が生じていたのです。

コメント
研究者は次のように述べています:
「ビタミンDによって eNOS という酵素の生産量が血管内皮(血管の内側の層)において増加しますが、この eNOS が血圧の調整において非常に重要な役割を果たしています。 eNOS が生産する一酸化窒素(NO)に、血管の平滑筋をリラックスさせる作用があるのです。 NO の生産量が少なすぎると血管は柔軟性を失い、高血圧の原因となります。 したがって、ビタミンDに血圧を間接的にコントロールする作用があると言えるでしょう」
研究者と同じ大学の教授は次のように述べています:

「ビタミンD欠乏症によって直ちに高血圧になるわけではありませんが、長期間にわたるビタミンDの欠乏は心臓と血管にダメージが生じる原因となります」

「ビタミンDは日光が体内で科学的に変換される物質であるため、人体はビタミンDを頻繁に獲得するように出来ています。 ところが、冬季のヨーロッパ中央部(オーストリアの研究なので)の平地では、11月~2月にかけて、ビタミンDの合成をするのに十分な日光が得られません。 ビタミンDの合成に必要な紫外線B波が少なすぎるのです。 したがって、冬にはビタミンDのサプリメントを服用するか、(紫外線B波が十分に届く)山の上で暮らすしかありません」