ビタミンD血中濃度が高い乳ガン患者は生存率が高い

(2016年11月) "JAMA Oncology" に掲載されたロズウェル・パークがん研究所などの研究により、乳ガンと診断された頃にビタミンDの血中濃度が高かった乳ガン患者の生存率が高いことが明らかになりました。

研究の方法

浸潤性の乳ガンと診断されてから2ヶ月以内の女性患者 1,666人(平均年齢59才)を対象に、血液検査と生活習慣などに関するアンケートを実施し、それから半年後・2年後・6年後・8年後の生存状況を調べました。

データの分析においては、年齢・肥満度・人種・社会経済的状態(収入・職業・学歴など)・腫瘍の性質といった要因を考慮しました。

結果

診断時の腫瘍のステージが進行していた女性ほどビタミンD血中濃度が低く、血中濃度がもっとも低かったのはトリプル・ネガティブ乳ガンを患っている閉経前の女性でした。

ビタミンD血中濃度に応じてデータを3つに分けた中で、血中濃度が最も高かったグループは、血中濃度が最も低かったグループに比べて総死亡リスク(*)が28%低くなっていました。
(*) 死因を問わない死亡リスク。
閉経前の女性に限ると

ビタミンD血中濃度による生存率の差は閉経前の若い女性で顕著で、血中濃度が最も高かったグループは、血中濃度が最も低かったグループに比べて総死亡リスクが55%低いという結果でした。 死因を乳ガンに限った死亡リスクでは、この数字は63%でした。

解説
ビタミンDが乳ガン患者の生存率に影響する理由は不明ですが、研究チームによるとビタミンDの次のような作用が関係している可能性があります:
  • 正常な乳房細胞の発達を促す。
  • ガン細胞の増殖を阻害する。
  • ガン細胞の死滅を促進する。