ビタミンD の血中量が多い乳ガン患者は生存率が2倍

(2014年3月) "Anticancer Research" 誌に掲載されたカリフォルニア大学サンディエゴ校のメタ分析で、ビタミンD の血中量が多い乳ガン患者の生存率が、血中量が少ない患者の2倍になるという結果になりました。

メタ分析の方法

乳ガン患者のビタミンD(カルシフェジオール)血中量を乳ガンと診断された時点で計測し、その後平均9年間にわたって追跡調査を行った5つの研究のデータを分析しました。 データに含まれていた患者数の合計は 4,443人でした。

結果

ビタミンD(カルシフェジオール)血中量は、ビタミンD 血中量が多いグループでは平均 30 ng/ml、少ないグループでは平均 17 ng/ml でした。 17 ng/ml という量は、米国の乳ガン患者のビタミンD 血中量の平均値と同じです。

解説
ビタミンD の血中量が多い患者の生存率が高い理由として、研究者は次のように述べています:
「カルシフェジオールには、悪性の細胞分裂を遮断する作用のあるタンパク質のスイッチを入れて細胞間の連絡を強化する効果があります。 ビタミンD 受容体が存在する限りにおいて、(ビタミンD によって)腫瘍の成長が抑制され、腫瘍への血液供給も拡大しません。 そして、ビタミンD 受容体は腫瘍が非常に進行した段階に達するまでは失われません」
また研究者は、今回の結果を確認するために複数の臨床試験を行う必要があるとしながらも、ビタミンD の補給を乳ガン患者の標準的な治療に現時点で追加することを提唱しています:
「30 ng/ml というビタミンD 血中量を達成するのに必要な用量のビタミンD の安全性は確立されており、ビタミンD の補給を乳ガン治療に使うべきでない大きな理由は見当たりません」
同じ研究グループが 2011年に発表したメタ分析では、ビタミンD 血中量が 50 ng/ml であると、乳ガンになるリスクは半分になっていました。 ビタミンD の吸収率には個人差がありますが、50 ng/ml のビタミンD 血中量を達成するには、4,000 IU/日のビタミンD を食事やサプリメントで摂取すれば良いと考えられます。
30 ng/ml の血中量を達成するには、単純計算では1日あたり 2,400 IU のビタミンD を摂取すれば良いということになりますね。 日本の基準では、成人のビタミンD 推奨摂取量の上限値が 2,000 IU(50μg)となっています。
研究者は、ビタミンD の摂取量を増やす前に医師に相談するようにと警告しています。