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ビタミンDが乳ガンの予防に有効? 特に閉経後の女性で

(2017年7月) "Environmental Health Perspectives" 誌に掲載された米国立衛生研究所(NIH)の研究によると、特に閉経後の女性においてビタミンDが乳ガンの予防に有効かもしれません。 ビタミンDのサプリメントを服用する習慣があったりビタミンD血中濃度が高かったりする女性は、5年間のうちに乳ガンになるリスクが低かったのです。

研究の方法

乳ガンではないけれど乳ガンのリスクが高い(姉妹に乳ガンになった人がいる)という35~74才の米国人女性5万人超(平均年齢55.6才)の乳ガンの発症状況を5年間にわたり追跡調査したデータの中から、乳ガンを発症した 1,600人と乳ガンを発症しなかった 1,822人のデータを抽出して、ビタミンD血中濃度と乳ガンのリスクの関係を調べました。

また、5万人超全員のデータを用いて、ビタミンDのサプリメントを服用する習慣と乳ガンになるリスクとの関係も調べました。

結果

閉経後の女性に限り、ビタミンD血中濃度が最低(24.6ng/mL以下)のグループは血中濃度が最高(38.0ng/mL超)のグループに比べて、乳ガンのリスクが28%低いという結果でした。 閉経前の女性では、ビタミンD血中濃度と乳ガンのリスクの間に関係が見られませんでした。

また、ビタミンDのサプリメントを週に4回以上服用する習慣がある女性は、そうした習慣が無い女性に比べて乳ガンになるリスクが11%低くなっていました。 ビタミンDサプリメントの服用と乳ガンのリスクの関係も閉経後の女性で顕著で、閉経後の女性に限ると28%、閉経前の女性に限ると17%の低下でした。

関連記事

  • "Cancer Causes and Control" 誌に掲載された研究では、ビタミンDが不足している女性は乳ガンになるリスクが高いことが示されています。

  • "Journal of Nutrition" に掲載された研究では、体重や飲酒量によってビタミンD血中濃度と乳ガンのリスクとの関係が異なるという結果になっています。

    今回の研究では肥満の女性でビタミンD血中濃度が高いと乳ガンのリスクが低いという関係が顕著でしたが、この "Journal of Nutrition" に掲載された研究では、スリムな女性ではビタミンD血中濃度が高い場合に乳ガンのリスクが下がり、スリムでない(必ずしも太ってはいない)女性ではビタミンD血中濃度が高い場合に乳ガンのリスクが増えていました。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。