ビタミンDやカルシウムを補給しても骨折のリスクが下がらないどころか...

(2018年5月) "JAMA" に先月4月に掲載されたシステマティック・レビューによると、骨粗鬆症でもビタミンD欠乏でもない中高年者は、ビタミンDやカルシウムをサプリメントなどで補給しても骨折の予防に効果が無いばかりか腎結石のリスクが増える恐れがあります。

レビューの方法

ビタミンDおよび/またはカルシウムの補給(経口服用または注射)が骨折などのリスクに及ぼす影響を調べた11のランダム化比較試験(2018年2月末までに発表されたもの)のデータをまとめました。

11の試験はいずれも、骨折の病歴が無く骨粗鬆症でもビタミンD欠乏でもなく自宅で暮らしている50才以上の成人のみを被験者とするもので、試験期間は2~7年間でした。

結果

主な結果は次の通りです:

骨折のリスク

  1. ビタミンDを補給した場合には補給しなかった場合に比べて、骨折の絶対リスクが2.26%(95% CI: -4.53%~0.00%)および相対リスクが22%下がっていた。(1つの試験、被験者数は 2,686人)
  2. 股関節骨折に限るとビタミンDを補給した場合と補給しなかった場合とでリスクに差が無かった。(3つの試験、被験者数は 5,496人)
  3. ビタミンD&カルシウムを補給した場合と補給しなかった場合とで、骨折全体のリスク(1つの試験、被験者数は 36,282人)にも股関節骨折に限ったリスク(2つの試験、被験者数は 36,727人)にも差が無かった。
  4. カルシウムだけを補給した試験は2つだけで被験者数も339人だけでしかなかった。

その他のリスク

    ビタミンDのみあるいはビタミンD&カルシウムを補給しても、死亡リスク(死因は問わない)や心臓病/脳卒中になるリスクは下がっていなかった。
  • ビタミンD&カルシウムを補給しても、ガンになるリスクに違いは見られなかった。(3つの試験、被験者数は 39,213人)
  • ビタミンD&カルシウムの補給により腎結石の絶対リスクが0.33%増加していた。(3つの試験、被験者数は 39,213人)
  • カルシウムだけの補給であれば腎結石のリスクは増えていなかった。(3つの試験、被験者数は 1,259人)

まとめ

ビタミンDやカルシウムの補給に骨折を予防する効果は無いとするデータのほうが優勢でした。

ただし全般的に見て(骨折に関しても骨折以外に関しても)、ビタミンDやカルシウムの作用に関するデータは足りておらず、上記の結果の各項目のほぼ全てがデータの信頼度の分類において「あまり信頼できない」または「まったく信頼できない」に分類されます。 ビタミンD&カルシウムによる腎結石のリスク増加に関してのみ、信頼度が「まあまあ信頼できる」に分類されます。