(2014年6月) "ICE/ENDO 2014" で発表されたインドの研究によると、糖尿病前症の人はビタミンDとカルシウムのサプリメントを同時に服用することによって2型糖尿病になるのを回避できる可能性があります。
ビタミンDの服用量は、8週間は 60,000 IU を週に一回服用し、その後は毎月(おそらく60,000 IU を1回)服用するというものでした。 カルシウムは1日あたり 1,250mgを服用しました。
いずれのグループも、食事(カロリーなど)に関するアドバイスを受け、毎日30分元気良く(おそらく中程度の運動強度での運動ということでしょう)運動しました。
2年半近く(平均)の追跡期間の後、カルシウムだけを服用したグループでは49人(人数が減ってるのは途中で脱落した人がいるためでしょう)のうち26.5%にあたる13人が糖尿病になったのに対して、ビタミンD+カルシウムを服用したグループで糖尿病を発症したのは55人のうち10.9%にあたる6人だけでした。
また、血糖値が正常範囲内に戻ったのは(患者たちの自己申告によると)カルシウムのグループでは10/49人(20.4%)だったのに対して、ビタミンD+カルシウムのグループでは23/55人(41.8%)でした。
研究チームの推算によると、ビタミンD血中量が 1 ng/mL 増加するごとに糖尿病前症から糖尿病へと進行するリスクが8%下がり、血糖値が正常な範囲内に戻る率が5.4%増加します。
- 被験者をビタミンDが不足している人に限った。
- 被験者には運動をして食事にも気を付けてもらった。
つまり、ビタミンDが不足していない人がビタミンDを飲んでも効果が無い可能性や、生活習慣を改善せずにビタミンD(とカルシウム)を飲むだけでは効果が無い可能性があるというわけです。
(2014年6月) 上記のインドの研究と同じ日にニュースになった研究に、同じくカルシウム+ビタミンDの服用によって妊娠糖尿病の女性の代謝プロファイルが改善されるという結果になったものがあります。 こちらの研究はイランで行われ "Diabetologia" 誌に掲載されました。
こちらの研究では、妊娠糖尿病の女性56人を2つのグループに分けて、一方にはビタミンD+カルシウムのサプリメントを、そしてもう一方にはプラシーボを服用してもらいました。
カルシウムの服用量は1日あたり 1,000mgでした。 ビタミンD3 の服用量は、研究開始の時点で 25,000IU と研究開始から21日目に 25,000IU(合計 50,000IU)でした。
血液サンプルの採取は、研究開始時と研究開始から6週間後に行ないました。
血液サンプルを検査した結果、ビタミンD+カルシウムを服用したグループではプラシーボのグループに比べて、空腹時の血糖値、インスリン、および LDL コレステロールが有意に低下し、インスリン感受性が改善し、さらに HDL コレステロールが増加していました。