著者: William B. Grant & Meis Moukayed
タイトル: Vitamin D3 from Ultraviolet-B Exposure or Oral Intake in Relation to Cancer Incidence and Mortality
タイトル: Vitamin D3 from Ultraviolet-B Exposure or Oral Intake in Relation to Cancer Incidence and Mortality
レビューの要旨
- ビタミンD3(1)のサプリメントの効果を調べた近年の研究(ランダム化比較試験や観察研究)で、ビタミンD3(2)の血中濃度は60ng/mlほどを上限として血中濃度が高ければ各種のガンの発症リスクや死亡リスクが低い(発症リスクよりも死亡リスクで顕著)ことが示されている。
- ビタミンD3が細胞増殖・抗血管新生・抗転移といった効果を発揮するメカニズムが解明され続けている。 ビタミンD3とガンのリスク低下との間には因果関係が存在すると言える。
- ビタミンD3(2)の血中濃度を40~60ng/mlに維持すると、多くのガンのリスクが低下する。
- ガンと診断された後にビタミンD3(2)の血中濃度をこのレンジ(40~60ng/ml)にまで引き上げると生存率が向上する。
(1) 植物の体内に存在するのがビタミンD2であるのに対して、ビタミンD3は動物の体内に存在する。 日光に当たったときに体内で生産されるのもビタミンD3。
(2) 25(OH)D3。 カルシフェジオールとも呼ばれる。