ビタミンDがクローン病による腸管バリア機能不全の改善に有効

(2015年6月) "United European Gastroenterology" 誌に掲載されたアイルランドの研究によると、ビタミンDがクローン病患者に見られる腸管バリアの機能不全を改善するのに有効かもしれません。

研究の背景

最近の研究でビタミンDがクローン病の寛解期間延長に有効であることを示されていますが、そのメカニズムや臨床的な有効性は明らかになっていません。

今回の研究では、ビタミンDのサプリメントによって腸管バリア機能(腸管透過性(*)と抗菌ペプチド濃度から判定)とクローン病のマーカーにどのような変化が生じるかを調べることを目的としました。
(*) 腸管透過性は腸管壁浸漏の尺度です。 腸管壁浸漏はクローン病再発の前触れです。
研究の方法

この研究ではクローン病が寛解している患者27名を被験者とする二重盲検試験を行いました。 27名を2つのグループに分けて、一方のグループにはビタミンDのサプリメント(1日あたり 2,000 IU)を、もう一方のグループにはプラシーボを3ヶ月間にわたって服用してもらいました。

結果
プラシーボのグループに比べてサプリメントのグループの方が腸管透過性が維持されていることが多く、さらにビタミンD血中濃度が最も高かったグループでは炎症の指標(C反応性タンパク質と抗菌ペプチド)が減少していました。 炎症の指標が減少していた患者たちでは生活の質(QOL)も改善されていました。