ビタミンDの補給でメタボリック・シンドロームの完成を阻止できる?

(2016年12月) "Frontiers in Physiology" 誌に掲載された研究によると、高脂肪の食事によってメタボリック・シンドロームが発生するプロセスに、ビタミンDの欠乏が引き起こす腸内細菌の異変が関与している可能性があります。

今回の研究はマウス実験によるものですが、ヒトでも同様だとすれば日光浴などでビタミンDを補給するのがメタボリック・シンドロームの改善や予防に有効かもしれません。

発見の概要
ビタミンDでメタボが完成

マウスに高脂肪のエサを与えたところ、の腸の善玉菌と悪玉菌のバランスに影響して、ある程度の脂肪肝が生じ血糖値もわずかに上昇しました。

ビタミンDが不足しているマウスでは、腸内細菌バランスの乱れがひどく、完全な脂肪肝とメタボリック・シンドロームが生じました。

ディフェンシン

ディフェンシンという健康な腸内細菌バランスの維持に不可欠な抗菌性分子があります。 ディフェンシンはビタミンDが欠乏すると生産量が低下します。

そこで、人工合成したディフェンシンを(ビタミンDの欠乏により腸内細菌のバランスが乱れている)マウスに経口で投与してみたところ、腸内細菌のバランスが回復して、血糖値が下がり脂肪肝が改善されました。

解説

今回の結果から、メタボリック・シンドロームが生じるには①高脂肪の食事と②ビタミンDの欠乏という2つの条件が必要であると考えられます。

今回の結果がヒトにも当てはまるとすれば、既存の栄養ガイドラインで推奨されている程度の量のビタミンDを補給することで、完全なメタボリック・シンドロームが生じるのを防げるということになります。