カルシポトリオール(ビタミンD誘導体)が肝線維症を抑制

(2013年4月) 英国の研究グループが、マウス実験において、尋常性乾癬の治療に用いられるカルシポトリオール(ビタミンD3誘導体)によって肝臓の線維応答を制御しているスイッチを不活性化することに成功しました。

ダメージを受けた肝臓では、肝臓に存在する星型をした「衛星」細胞が損傷を治そうとして線維状タンパク質を生産しますが、肝臓に慢性的なストレスがかかっていると、本来局所的であるはずの線維が広がって肝線維症(「繊維症」とも書く)になります。

肝線維症には現在効果的な治療薬が存在しません。既存の治療法では、症状は抑えますが、肝臓の線維化の進行を止めることはできず、線維化が進行すると肝硬変になってしまいます。

線維化を抑制する遺伝子スイッチ
研究グループが今回発見したのは、カルシトリオール(ビタミンDの一種)などのビタミンD関連リガンド(受容体などに特異的に結合する物質)によって不活性化することのできる遺伝子スイッチです。 このスイッチを不活性化することで線維化を抑制できます。 研究者によると、カルシトリオールによってこの遺伝子スイッチを操作するというのは、肝線維症の治療法として有望だそうです。
カルシポトリオール(ビタミンDの誘導体)によってカルシトリオール(ビタミンD)を誘導して、肝臓の線維化に関わる遺伝子スイッチをオフにし、線維化をストップするということでしょうか。

研究グループは今後、ビタミンD類似体(カルシポトリオールのことでしょう)による肝線維症治療の臨床試験を行う予定です。

ビタミンD 類似体はビタミンD よりも優秀
研究グループによると、ビタミンD類似体は次の点においてビタミンDより優れています:
  1. ビタミンD類似体は、日光に当たることで体内で合成されたり、食事から摂取される自然のビタミンDよりも分解され難い。
  2. このような自然のビタミンDは過剰症(高カルシウム血症、吐き気・嘔吐、頻尿、脱力感、関節痛など)の危険がある。
  3. ビタミンD類似体では、血中のカルシウム量を増やさずに強い作用を得ることができる。
カルシポトリオールによる線維化の治療は、肝線維症だけでなく、肺や、腎臓、すい臓の線維症にも適用できる可能性があります。