ビタミンDの健康効果を得るにはマグネシウムが必要

(2018年2月) "The Journal of the American Osteopathic Association" に掲載された論文によると、人体がビタミンDを利用するには十分な量のマグネシウムが必要です。

ビタミンDについて

ビタミンDは抗酸化物質として有名なビタミンCやビタミンEに比べて人気がありませんが、ビタミン類の中では現在もっとも盛んに研究が行われており、健康の話題に敏感な人たちはすでにビタミンDに注目しています。

ビタミンDは骨や筋肉の健康に必要なビタミンとして知られますが、強力な抗炎症作用を持つほか免疫機能にも関与しており、ガン・自己免疫疾患・感染症・抑鬱など多数の疾患のリスクや予後に影響すると考えられます。

ビタミンDは日光などに含まれる紫外線B波を浴びることで体内で合成されますが、サプリメントの服用も効果的です。 ビタミンCやEのサプリメントは有害性を指摘する専門家が少なくありませんが、ビタミンDのサプリメントについては多くの専門家が服用に対して肯定的です。

マグネシウムについて

マグネシウムはミネラルの一種で、筋肉・心臓・歯・骨などの健康維持のほか、細胞の機能・修復・抗酸化やRNA・DNAの合成にも必要とされます。

マグネシウムは、不眠症・高血圧・便秘・偏頭痛・胆石・腎結石などの予防に有効もしれません。 女性では、生理時の症状あるいは更年期障害の緩和にマグネシウムが有効であることがあります。

体内に存在するマグネシウムのうち約40%が細胞内に、そして約60%が骨と歯に存在し、血中に存在するマグネシウムはわずか0.3%ほどでしかありません。 そのため体内に存在するマグネシウムの量をマグネシウム血中濃度で把握することはできません。

マグネシウムの所要

成人のマグネシウム推奨所要量(RDA)は、女性で310~320mg/日(妊娠中は+40mg/日)、男性で400~420mg/日というものです(男性も女性も30代以降はRDAが増える)。

「日本人の食事摂取基準」によると、成人のマグネシウムRDAは、男性では320~370mg/日(年齢により多少異なる)、女性では270~290mg/日(妊娠中は+40mg/日)というものです。

健康な人の97~98%において必要量が満たされる1日あたりの摂取量の平均値。

マグネシウム摂取量は加工食品を食べることが多いと低下する傾向にあり、米国では国民の半分がマグネシウム不足だと言われています。 激しい運動をする人は特にマグネシウム不足に要注意です。 激しい運動により汗や尿からマグネシウムが失われやすくなるためです。

マグネシウムが豊富な食品

マグネシウムは全粒穀物・ナッツ類・豆類・魚・青葉野菜・バナナ・卵の黄身などに含まれています。 マグネシウム含有量が特に多い食品は、アーモンド・大豆・イワシ・蕎麦(そば)などです。

2007年に発表された米国の研究によると、食品中に含有されるマグネシウムの量は減少しており、2000年頃には 1950年頃に比べて食品中に含まれるマグネシウムの量が20~75%も減っている恐れがあります。 マグネシウム含有量の減少は計測方法の変化や誤差によるものである可能性もありますが、殺虫剤や化学肥料の使用による土壌の変化のためにマグネシウム含有量が減っている可能性もあります。

ビタミンDとマグネシウム

ビタミンDはカルシフェジオール(25[OH]D)という形態で体内に貯蔵されており、これが使用されるときにカルシトリオール(1,25[OH]2D)という形態へと変換されますが、この変換においてマグネシウムが必要とされます。

マグネシウムが不足しているとビタミンDの効果が得られないばかりか、サプリメントによるビタミンD補給が有害となる恐れもあります。 例えば、ビタミンDのサプリメントを飲むとビタミンDが十分な量にまで達するのを待たずしてカルシウムとリンの量が増加することがありますが、そういう状況においてマグネシウムが不足していると血管が石灰化する恐れがあります。

また、マグネシウムの量が十分であると、体が要求するビタミンDの量を達成するのに必要とされるビタミンDの摂取量が少なくて済みます(ビタミンDの利用効率が向上する)。

逆に、腸におけるマグネシウムの吸収にビタミンDが関与しているという側面もあります。