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ビタミンD血中濃度が高いと膵臓ガンで死亡するリスクが低い

(2017年7月) "Oncotarget" 誌に掲載されたメタ分析で、ビタミンD血中濃度が高いと膵臓(すいぞう)ガンで死亡するリスクが低いという結果になっています。

メタ分析の方法

ビタミンDの摂取量や血中濃度と膵臓ガンのリスクとの関係を調べ、2010~2016年のうちに発表された12の研究のデータを分析しました。

12の研究のうち、
  • ビタミンD血中濃度と膵臓ガン患者の死亡リスクとの関係を調べたものは5つで、データに含まれる人数は 1,613人でした。
  • ビタミンD血中濃度と膵臓ガンを発症するリスクとの関係を調べたものは5つで、データに含まれる人数は1万7千人超でした。
  • 残りの2つの研究はビタミンD摂取量と膵臓ガンになるリスクとの関係を調べたもので、データに含まれる人数は87万人超でした。

結果

ビタミンD血中濃度と膵臓ガンで死亡するリスク

ビタミンD血中濃度が最も高い場合には最も低い場合に比べて、膵臓ガンで死亡するリスクが19%低くなっていました。

ビタミンD血中濃度と膵臓ガンになるリスク

ビタミンD血中濃度と膵臓ガンになるリスクとの間に関係が見られませんでした。

ビタミンD摂取量と膵臓ガンになるリスク

ビタミンD摂取量と膵臓ガンになるリスクとの間に関係が見られませんでした。

解説

ビタミンD血中濃度が高いと膵臓ガンで死亡するリスクが低下する理由は完全には明らかになっていませんが、いくつかのメカニズムが考えられます(この記事では割愛します)。

研究チームによると、膵臓ガンの治療にビタミンDを利用するという研究も行われていますが、カルシトリオール(人体で利用されるビタミンDの最終的な形態)には高カルシウム血症や高カルシウム尿症といった重大な副作用のリスクがあり、それがビタミンD利用の妨げとなっています。

留意点

今回のメタ分析で用いた研究に色々な弱点があったため、今回の結果は結論的なものではありません。 今後もビタミンDと膵臓ガンの関係について調査を続ける必要があります。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。
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