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ビタミンDの所要量は体重しだいで現行の推奨量の3~10倍?

(2015年12月) "Nutrients" 誌に掲載されたアルバータ大学(カナダ)の研究により、ビタミンDの新たなRDAが提案されています。
Paul J. Veugelers, Truong-Minh Pham and John Paul Ekwaru. Optimal Vitamin D Supplementation Doses that Minimize the Risk for Both Low and High Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentrations in the General Population. Nutrients 2015, 7(12), 10189-10208; doi:10.3390/nu7125527
研究の背景
最近発表されたレポートによりビタミンDのRDAを割り出す際に統計学上の誤りがあったことが明らかになっていることから、ビタミンDの従来のRDAが疑問視されています。
RDAとは

RDA(推奨一日許容量)とは、97.5%の人においてビタミンなどの所要量を満たすのに十分であるとされる摂取量のことです。

現在のところ米国ではビタミンDのRDAを、1~70才は1日あたり600IU、71才以上は800IUとしています。

日本のビタミンD摂取目安量はこちらを参照してください。

目安量はRDAとは別物で「特定の集団において不足状態を示す人がほとんど観察されない量」という意味です。 日本ではRDAは定められていないようです。
研究の概要
この研究では次の2つを行いました:
  • ビタミンDの補給量とビタミンD血中濃度の関係に関する108の文献の調査。
  • カナダ北部(*)に在住で健康な18~70才の男女 11,693人(のべ 13,987人)のデータの調査。
(*) カナダ北部の日照量が日本よりも随分と少ないことに注意が必要かもしれません。 ビタミンDは皮膚に日光が当たることで合成されます。
文献調査の結果

97.5%の人が50nmol/L以上のビタミンD血中濃度を達成するのに必要なビタミンD補給量は1日あたり 2,909IUであるという結果になりました(ビタミンD不足の人に限ると、この数字は 3,279 IU/日以上となります)。 また、40nmol/L以上を達成するのに必要な量は 1,229IU/日でした。

ビタミンDを 2,909IU/日という用量で服用する場合、ビタミンD血中濃度において上位2.5%の人の血中濃度は126nmol/L超となります。参考記事: 遺伝子の違いによるビタミンDの利用効率の差

カナダ人のデータの調査結果

カナダ人のデータの調査では、97.5%の人が50nmol/L以上のビタミンD血中濃度を達成するのに必要なビタミンD補給量が、普通体重の人は 3,094IU/日過体重の人は 4,450IU/日、肥満(BMIが30以上)の人は 7,248IU/日 という量でした。

普通体重・過体重・肥満の人がビタミンDをそれぞれ 3,094IU/日・4,450IU/日・7,248IU/日という用量で服用すると、ビタミンD血中濃度において上位2.5%の人の血中濃度が210nmol/L超・200nmol/L超・214nmol/L超となり、ビタミンDが過剰となります。

結論
ビタミンD血中濃度上位の人でも血中濃度が過剰とならず妥当な水準(58~171nmol/L)に収まるようなビタミンD補給量の目安として、研究チームは次の摂取量を提案しています:
  • 普通体重 - 1,885IU/日
  • 過体重 - 2,802IU/日
  • 肥満 - 6,235IU/日
肥満度別になっているのは、ビタミンDの所要量が肥満度により大きく異なるためです。